熱中症の予測検知に期待、人体の水分量を電波で可視化

日本工業大が評価法

 日本工業大学の秋元俊成先進工学部ロボティクス学科准教授らは、人体に含まれる水分量の計測に向けた電波の減衰と伝播(でんぱ)遅延の評価法についてめどをつけた。同方法を用いて体水分量の計測を可視化し、熱中症予測検知や、介護施設に入居する高齢者のトイレ管理などに利用できる。長距離運転するドライバーの健康管理などにも応用を見込む。猛暑で熱中症患者が増加傾向にある中、利用法が確立すれば福祉や健康管理など各方面で朗報になりそうだ。

 熱中症は体内の水分量が減少することが原因で起こる。初期症状では喉の渇きや皮膚の紅潮、食欲不振などが出るが、仕事に熱中している場合や高齢者などはこの変化に気付きにくく、重症化する傾向がある。

 今回の評価方法は水分が多い遮蔽(しゃへい)物を透過すると、電波の受信強度や伝播速度が変わることに着目した。

 “遮蔽物”となる人体の上下・左右の離れた場所に送信アンテナと受信アンテナを取り付け、オシロスコープのように電波を計測する。

 街中の歩行状態のような場合では、人体を流れる電波と近くの別の電波も計測してしまい、精度が低下するが、ベッドや座席など人が止まっている場合はほぼ問題なく計測できるという。高齢者や学校の生徒、長距離運転ドライバーの熱中症検知や予防対策に利用できる。

 非接触であるため離れた場所から管理が可能。熱中症のほか、ベッドで寝たきりの高齢者がトイレに行きたいかなどのチェックにも応用できるという。

日刊工業新聞2018年7月30日

日刊工業新聞 記者

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07月30日
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