4大学で教員生活、早稲田新総長は中期計画をどう見直すか

田中愛治、11月5日に就任予定

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早稲田大学総長に就任する田中愛治氏
 早稲田大学総長に就任する田中愛治氏は日米で学び教員生活も4大学と多彩な経歴だ。母校に戻ってからは教務(教育の事務)一筋で理事、また国際学会会長を務めた。「構成員も多様な本学で、総長は向かう先を一致させる旗振り役だ。優れた研究、教育、社会貢献を強く連動させて社会と関わる」と強調する。中長期計画「早稲田ビジョン150」は6年目、目標数値が一人歩きしがちで「本来の理念で優先順位を付け直す」とする。

 昨年、留学生が6割を占める英語での政治学コースで同大「ティーチングアワード」を受賞した。「丁寧さが10%上下するだけで、受講生の反応が変わる」と再認識し、中堅教員が主対象の同賞受賞にてらいがない。スポーツはスキーや学生時代の空手など。近年は観戦中心だが、これからは早大トップとして応援に熱が入るケースが増えそうだ。

【略歴】たなか・あいじ 75年(昭50)早大政経卒。85年米オハイオ州立大院博士。96年青山学院大法教授。98年早大政経教授。10年理事。14年世界政治学会会長。東京都出身、66歳。11月5日就任予定。

日刊工業新聞2018年7月3日

COMMENT

山本佳世子
科学技術部
論説委員兼編集委員

総長選は票が接近し、2段階で行われた。立候補の3人のうち1回目は、法学学術院の島田陽一教授が1435票、新総長に決まった田中愛治氏が1161票、教育・総合科学学術院の藁谷友紀教授が1037票だった。再投票は2位までの二人で争い、田中氏が1899票、島田氏が1692票だった。このような背景もあり、決定後の取材で私は田中次期総長に、「選挙で何を一番、訴えて、選挙人に響いたと思うか」と質問した。その答えが、「教育・研究・社会貢献を強く連動させる方向性を、全学で統一する」という比較的、一般的なものだったので、少し拍子抜けした。一方で感心したのは、優れた授業を評価されての「ティーチングアワード」で、主対象は30ー40代の教員という中、60代半ばで受賞して素直に「嬉しい」といい、実際に取材で熱意を持って話してくれたことだ。「居丈高なトップではなく、教職員・学生の思いを受け止められる総長になるだろうな」と想像した。

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