超微細7ナノメートル線幅の半導体試作に成功、米IBMなど

10ナノ開発中のインテル、巻き返しなるか

  • 1
  • 0
IBMリサーチなどが7nm製造プロセスで作った試作チップ(Darryl Bautista/Feature Photo Service for IBM)
 わずか7ナノメートル(ナノは10億分の1)という極めて細い回路線幅(製造プロセス)を持つ実用的な半導体チップの試作に米IBMなどが世界で初めて成功した。現在14ナノメートルの製造プロセスで量産・市販されている最先端半導体に比べると、2世代先の技術。指先ほどのチップに現在の約4倍の20億個ものトランジスタを詰め込むことが可能になり、サーバーやウェアラブル機器を含めコンピューターの高速処理・省電力化に大きく貢献すると期待される。ただ、実用化までには、あと4-6年はかかるとみられている。

 IBMの研究開発部門であるIBMリサーチと、米グローバルファウンドリーズ、および韓国サムスン電子がアライアンスを組み、最先端研究教育機関のニューヨーク州立ポリテクニック・インスティテュート(SUNYポリ)のナノテクコンプレックス(ニューヨーク州オールバニー)で5年以上の歳月をかけて開発した。

 IBMリサーチなどは、材料にシリコンゲルマニウムを使ったほか、回路パターンを半導体ウエハーに転写する手法として波長の短い極端紫外線(EUV)リソグラフィーを採用することで、超微細回路を持つ半導体の試作に成功した。次世代の10ナノメートル半導体は14ナノメートルに比べ50%高性能で、50%低消費電力とされているが、7ナノメートルは、それよりさらに50%高性能になるとされている。

 将来のクラウドコンピューティングやビッグデータシステム、人間のような学習能力や情報処理能力を備えたコグニティブコンピューティング、モバイル製品などに、こうした小型・高性能・低消費電力を実現する次々世代半導体が必要になると見られ、「ビジネスでも社会においても、将来のコンピューターやデバイスを最大限に活用するには、7ナノメートルおよびそれ以降の小型化が極めて重要になる」とIBMリサーチのアービンド・クリシュナ所長は声明で述べている。

 今年は「半導体のトランジスタの集積度が18カ月から2年ごとに2倍になる」という有名な「ムーアの法則」が提唱されて50年の節目に当たるが、最近ではその限界もささやかれている。半導体の回路微細化が技術的に困難になってきており、材料開発や製造設備に100億ドル規模の巨額の投資が必要になるためだ。今回の成果により、2世代先までは回路微細化の具体的な道筋がクリアーになった格好だ。

ニュースイッチオリジナル

関連する記事はこちら

特集