「ドラッグストア VS コンビニ」競合の象徴はパン?餃子?

ツルハ傘下が店内調理、「中食も打撃を受けるかもしれない」(ファミマ)

今後は中食で激突するケースが増える(写真はイメージ)
 ドラッグストアとコンビニエンスストアの垣根が低くなっている。ドラッグストアは生鮮品や総菜の取り扱いを増やしており、大手を中心に24時間営業も拡大傾向だ。コンビニは医薬品の扱いを充実するなど、ドラッグストアの領域に進出している。業態間での客の争奪戦は激しさを増す一方だ。

 「すごく意識している」―。ドラッグストアの“コンビニ化”について、ファミリーマートの佐藤英成常務執行役員はこう話す。

 北陸地方でドラッグストア約200店舗を傘下に持つGenky DrugStoresは売上高の約6割を食品が占める。店舗への生鮮売り場併設も進めている。

 ツルハホールディングス傘下の杏林堂薬局(浜松市中区)は、インストアベーカリーや店内調理のギョーザを運営している。こうした傾向に、ファミマの佐藤氏は「我々の中食も打撃を受けるかもしれない」と危機感をあらわにする。

 コンビニもドラッグストア分野へ進出している。ローソンは一般用医薬品を販売する店舗の数を、2022年2月末までに、現在の5倍となる900に増やす。

 販売に必要な、登録販売者の資格取得も加盟店に促している。ファミマも調剤薬局やドラッグストアとの、共同店舗の出店に積極的だ。

共通の課題は?


 コンビニとドラッグストアに共通する課題が店舗の人手不足だ。日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)は経済産業省と共同で、無線識別(RFID)による店舗業務の効率化に着手した。

 25年までに賞味期限や流通経路などを入力した電子タグを商品に貼付できるようにする。情報はリーダーで簡単に読み取ることができるため、レジや検品などの作業時間は大幅に削減できる。

 JACDSの調べでは、17年のドラッグストアの市場規模は6兆8504億円、店舗数は1万9534。JACDSは25年にそれぞれ10兆円、3万に伸ばす目標を立てている。店舗数や営業時間の拡大で人手不足が見込まれる中、業務の効率化は課題だ。

 すでに大手コンビニは経産省と、25年までに全商品に電子タグを使うことで合意している。JACDSの宗像守事務総長は「コンビニだけではなく、ドラッグストアでも取り組むべきだと思い、経産省に相談した」と話す。

 経産省の藤木俊光商務・サービス審議官も「電子タグ活用の最大の問題は価格。輪を広げることにより価格が下がり、普及につながる」と期待する。人口減の状況下において、今後も成長を続けるため、両業態の距離はますます縮みそうだ。
ドラッグストアでも、RFID活用による業務効率化を目指す(イメージ)

(文=江上佑美子)

日刊工業新聞2018年3月23日

COMMENT

明豊
デジタルメディア局
局長

個人的にはまだドラッグストアで食べ物を買うことケースは少ない。立地によるところが大きい。どうしてもコンビニはまだ身近な場所にある。でも今後は単なる「コンビニVSドラッグストア」という構図だけでなく、外食産業なども巻き込んだサバイバルになるだろう。

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