スペースXのロケット爆発で、積み荷のMS「ホロレンズ」も星屑と消え

宇宙飛行士と地上つないだNASAの映像共有実験、先送り

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宇宙を想定した微少重力下でのホロレンズの装着実験(NASA/MS)
 国際宇宙ステーション(ISS)に補給物資を運ぶ米スペースXの無人ロケット「ファルコン9」が日本時間28日深夜、打ち上げ直後に爆発したことで、昨年10月の打ち上げ失敗に続き、千葉工業大学の流星観測カメラ「メテオ」がまたもや星屑と消えた。さらに約2トンの積み荷には、宇宙飛行士の生活物資のほか、マイクロソフト(MS)が開発を進める拡張現実(AR)用ヘッドアップディスプレー(HUD)「ホロレンズ」が2台含まれていたことがわかった。

 ホロレンズは、メガネのレンズに当たる透明部分にホログラムを使った3D映像を表示させ、現実世界に仮想物体を重ねて表示することで、拡張現実(AR)を実現するウエアラブルコンピューター。今回はMSと米航空宇宙局(NASA)が共同で進める「サイドキック」というプロジェクトのために打ち上げられた。

 MSのサティア・ナデラCEOは29日、打ち上げ失敗を受け、ツイッターに「宇宙は難しい…@NASA、我々は君たちとともにいるし、やり直しの準備はできている!」と書き込み、再挑戦を誓った。

 「親友」「親しい仲間」を意味するサイドキックのプロジェクトは打ち上げ2日前にNASAが発表。大きく2つの目的があり、まずスカイプを通じてISSの宇宙飛行士がホロレンズごしに宇宙から見るのと同じ風景を、地上にいる人がリアルタイムで見られるようする。「リモート・エキスパート・モード」と呼ばれるこの手法では、地球にいる専門家が、宇宙飛行士と映像を共有しながら、音声や手書きの文章や図を表示して遠く離れた場所に指示を与えられる。

 さらに、「プロシジャー・モード」では、宇宙船の機器類の操作方法などをホログラフィックのアニメーションでホロレンズに映し出し、乗組員のトレーニングや作業の効率化に役立てる狙いがあるという。

 ISSにはあと2台のホロレンズが今年後半に打ち上げられる計画だったが、今回の事故でスケジュールに遅れが出ることは避けられない見通しだ。

COMMENT

藤元正
モノづくり日本会議実行委員会

NASAがスペースXに委託した打ち上げは今回が8回目。過去7回はいずれも成功している。ホロレンズのように、いくらITやハイテク機器が進化しても、宇宙という極限環境ではほんのわずかなミスが命取りになる。事故の徹底的な原因究明が待たれる。

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