中小企業の存続危機防ぐ 自社株・相続税への対策が必要 

エヌエヌ生命保険(中)

 中小企業経営者の病気や事故により突然の事業承継が起こった場合、重要なのが後継者に経営権を引き継ぐための自社株対策と相続対策の資金だ。後継者は経営に関する重要事項を決定しやすくするため自社株の3分の2を保有することが望ましいが、相続人が複数いる場合は必要な自社株を受け継ぐことが難しいケースもある。自社株・相続対策にはどんな注意が必要なのか、事業承継問題に精通する税理士法人HOP(東京都中央区)の小川実代表に聞いた。

兄弟姉妹間の“争族”を防ぐ


 「オーナー企業で事業承継が行われる場合、後継者は自社株の3分の2以上を保有することが必要」と小川代表は語る。3分の2以上保有することで取締役解任や定款変更、合併など株主総会の特別決議の可決が可能になる。世代を経るごとに増す将来の株の分散リスクも考慮すると、後継者は自社株を100%承継することが理想と言える。
 オーナー企業の場合は「社長の財産イコール自社株」になっているケースも多い。社長に子どもが後継者ひとりしかいないなら問題ないが、他にも子どもがいる場合は相続の際に自社株を分けなければならない。

 兄弟姉妹が会社経営に関与していないと、問題はなお複雑になる。後継者は「自分は社長の右腕として業績を伸ばしたので、経営に関与していない兄弟姉妹との等分割はおかしい」と考えがちだが一方、経営の実態を知らない兄弟姉妹は「親の相続財産だから等分するべきだ」と考えがちだ。小川代表も「こういった場合はどちらの言い分も正論で割り切れない。ロジックでは解決できない」と表情を曇らせる。
 相続を巡って家族や兄弟姉妹が争う“争族”を防ぐためには「企業経営が家業であることを経営者が子どもたちにきちんと伝え、株式や事業継続に必要な資産については財産の例外として扱うのが望ましい」(同)と説く。

 それでも納得できない相続人がいる場合は、代償分割という形で、相続財産を引き継ぐ代わりに「後継者から兄弟に『気持ち』としてお金を渡すことで解決できるケースもある」(同)と話す。そのために必要な資金は生命保険によってまかなうことが可能だ。例えば後継者が経営者に保険をかけ、受取人が後継者となる。
 相続の際、後継者が自社株などの事業に必要な資産を引き継ぐ代わりに、その保険金から他の相続人にお金を渡せば「他の相続人の納得性が全然違う」という。

 相続の際には退職金制度などを活用し、自社株の評価額をあえて下げることも有効だ。中小企業の自社株の評価額は会社の利益や資産状況によって変動するため、亡くなったタイミングによっては想定外の巨額になるケースもあるためだ。
 保険や退職金制度を活用し入念な準備をすることが“争族”を避ける有効な方法と言える。

事業承継に役立つ保険


 安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」による景気の好転により、中小企業の時価総額もじわじわと増大傾向にあり、相続額も増加している。事業承継の際には、借入金返済資金、運転資金に加えて、自社株対策資金、相続対策資金が必要になるが、エヌエヌ生命保険の中小企業経営者を対象とした調査によると、突然の事態により経営者に万が一のことがあった場合、これらの事業を継続するための資金は、通常の病気などの場合と比較して多く必要と考えられていることがわかっている(※)。

    

 同社では、相続・事業承継に役立つ定期保険「Quality(クオリティ)」や無解約返戻金型定期保険「Smart Term」などを販売。昨年12月には経営者が突然の事態に見舞われた場合に、最大1億円の保障を準備できる新たな無解約返戻金型災害・重度疾病定期保険「Emergency Plus(エマージェンシー プラス)」も発売した。
 販売は中小企業の事情に精通する経験豊かな保険代理店のコンサルタントが担当。豊富な経験と知識を元に、中小企業の経営とスムーズな事業承継に最適なソリューションを提案している。

経営者の“突然のリスク”に備える保険「エマージェンシー プラス」発売中。詳しくはこちら


   


小川 実(おがわ・みのる)
税理士法人HOP
代表社員/闘う税理士/相続診断士

※エヌエヌ生命保険「中小企業経営者100名に対する調査」(2017年実施)より

     

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