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ひと目でわかる日立の中期経営計画。東原改革のポイントとは?

「飛躍へのギアチェンジ」はグローバルフロントで
ひと目でわかる日立の中期経営計画。東原改革のポイントとは?

東原社長

 2016年4月に日立製作所の最高経営責任者(CEO)に就任した東原敏昭社長。同じタイミングで新しい3カ年の中期経営計画(16ー18年度)がスタートした。東原体制で日立はどのように変わろうとしているのか。ひと目で分かるように解説する。

 「飛躍へのギアチェンジ」ー。中計2年目の17年度に東原社長が掲げるスローガンだ。1年目の昨年は、成長に向けての強固な基盤構築、社内体制の見直し、事業の選択と集中に取り組んできた。

 基盤構築では新しいビジネス価値を創出するIoTプラットフォーム「Lumada」を立ち上げ、組織はビジネスユニット制を導入し現場情報が迅速に経営トップまで届くようになった。

 そして今年度、中計達成に向け東原カラーが最も出た施策がフロント機能の強化である。フロントとは、顧客の課題を一緒になって解決していく人材。営業だけにとどまらず、コンサルティングやシステムエンジニア、保守サービスなどより高度な課題解決ができるソーシャルイノベーターと呼べるだろう。
                    

 社内教育や国内で新規採用もしていくが、海外ではM&Aも有効な手段になる。鉄道部門では15年度に連結子会社化したイタリア・アンサルドSTSがすでに大きな戦力になり始めているほか、産業部門では今年7月に買収した米国の空気圧縮機メーカー、サルエアーが重要な役割を果たす。約4000社の既存顧客に「Lumada」の提供が可能になる。

 既存事業の成長だけでは中計の最終年度の売上高は9兆5000億円程度にとどまる見通しだが、1兆円規模のM&Aや追加投資によって、目標である10兆円に近づけていく。成長のけん引役は海外が中心となる。
                  

 1兆円は前中計期間の倍の金額。ただM&Aに取り組むだけでは、グループ全体のバランスシートの効率化には直結しない。そこで今年4月にCEO直轄の「投融資戦略本部」を設立、注力4分野ごとに案件を精査し、優先順位をつけていく。
<次のページ、(未来は、オープンだ。アイデアで変えられる。)>

               


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