産学連携プロジェクト統括者に高額報酬。文科省が新たな仕組み

成果に応じ年収2500万円

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 文部科学省は大型産学連携プロジェクトを統括する民間出身者や教員に、高額報酬を支払える仕組みを2018年度に導入する。大学が新設する「オープンイノベーション(OI)機構」(仮称)に高額報酬の原資として助成金を付ける。成果に応じて、民間出身者の場合で従来の教員の2倍以上の年収2500万円程度を支払え、教員にも上乗せできる給与制度を整備する。民間資金獲得の成果に応じて支払う仕組みを初めて整備し、産学連携を活性化する。

 文科省の新規事業として、18年度予算の概算要求で15億円程度を盛り込む。高額報酬を設定する対象は、民間で実績のある産学連携プロジェクトの管理者「プロデューサー」と、各プロジェクトの大学側担当者の教員。プロデューサーと教員が一体となり、事業化を見据えた1社当たり年数千万―数億円の大型共同研究を立ち上げ、運営管理する。

 プロデューサーは大学の技術を核に市場ニーズ分析、ビジネス戦略立案、事業化シナリオ提案、企業への営業などを実施する。従来の産学連携部門のマネジメントリーダーの報酬は最高でも大学教授と同水準の年1000万円程度だったが、これを上回る額を支払う。
               

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日刊工業新聞2017年8月22日

COMMENT

山本佳世子
科学技術部
論説委員兼編集委員

 働くことのインセンティブは、仕事の面白さ、志、評価で構成されると思う。今回、民間出身者のプロデューサーとして想定される人材は通常、面白くて高収入の仕事をしている可能性が高い。「大学の技術を社会に生かしたい」と志を持ったとしても、転職に踏み切るのは容易でない。高額報酬の設定は、そんな人材の志を生かす待遇となる。産学連携プロジェクトで、企業から獲得した資金額などによる『成功報酬』なら、周囲の理解も得られるだろう。  一方、大学の研究者が実用化に向けた研究に注力する場合、「論文が書けないため評価されない」というジレンマをしばしば耳にしてきた。その意味で、国立大の運営費交付金による年功序列の給与だけでなく、「産業界による評価」が上乗せの報酬となれば、報われるのではないか。

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