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東京・荒川区、パラ競技の区民サポーター養成

スポーツイベントの運営支援など通じ理解深める
東京・荒川区、パラ競技の区民サポーター養成

障がい者スポーツフェスティバルで行われた車いすバスケ

 東京都荒川区は2020年東京五輪・パラリンピックをスポーツ推進の好機と捉えている。2016年度に「荒川区スポーツ推進プラン」を策定し、重点項目の一つとして障がい者スポーツを挙げた。同スポーツの普及は社会参加のきっかけや地域づくりにもつながる。イベント開催などを通してさまざまな力を結集し、区民一人ひとりが幸福を実感できる街を目指す。

 16年から約380万円の予算を計上し、「障がい者スポーツフェスティバル」を開いている。パラリンピック日本代表選手のパネルディスカッションやユニバーサルスポーツの体験ができる。区内の鉄道弘済会義肢装具サポートセンターは義肢装具展示や体験ブースを設置。義肢装具は日常用とスポーツ用の2種を展示し、両方の体験が可能。同センターの中野啓史次長は「義足練習やリハビリの必要性など難しさに気付いてもらえた」とイベントの意義を語った。

 区は16年度から障がい者スポーツを支える仕組みとして、障がい者スポーツサポーター制度を設けている。16年は35人を募集。専門家による講習会を行い、区内の障がい者スポーツイベントで運営面を手伝う。サポートする人材を区内で養成することで障がい者スポーツへの理解もより深まる。今後もサポーター活躍の場を拡大するなど、20年以降もさらに障がい者への理解を深めていく。

【記者の目】
 荒川区は区内にキャンパスがある首都大学東京や、義肢装具士としてリオデジャネイロ五輪・パラリンピックに同行した臼井二美男さんが所属する義肢装具サポートセンターなど関連団体が豊富。協力体制を築き、区内の知見や環境を生かして障がい者スポーツを推進するのは、その理解を深める上で効果的だ。
(文=大串菜月)
日刊工業新聞 2017年7月27日
斉藤陽一
斉藤陽一 Saito Yoichi 編集局第一産業部 デスク
 東京都の工業統計調査によると、荒川区の工場数(従業員4人以上)は2014年末時点で505事業所あり、東京23区の中では8番目の規模。大学や義肢装具サポートセンターと、こうした町工場との連携が深まることを期待したいです。

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