注目の「駐車場シェア」akippa、きっかけは停電だった

ベンチャーの存在感が薄い大阪、そして日本を変える!

akippa公式ページより

 空き駐車場とドライバーをオンラインでつなぐ。akippaはそんな、ありそうで無さそうなビジネスを立ちあげた。全国の月極駐車場や個人の空き駐車場を有効活用することで、駐車場不足を解消でき、その上通常より駐車料金を安くできる。「世の中になくてはならぬものをつくる」。これが、社長の金谷元気が考えたビジネスモデルだ。  もともとサッカー好きで、高校卒業後はプロ選手を目指した。2007年1月にはJリーグの練習生として入寮もした。アルバイトを掛け持ちしながら1カ月半。しかしプロ契約には至らなかった。大学に進学していた同級生たちが卒業を迎えたのが、ちょうどその頃。プロを諦めるタイミングと決めていた。「社会のことを知りたい」と退寮し、大手情報通信会社に就職、2年間勤務した。  そこで個人事業に関心を持ち、広告代理店として起業を決意した。大阪と東京を中心に携帯電話からウォーターサーバーまで販売し、11年には新卒社員も初採用。従業員は20人ほどになっていた。  順風満帆の起業に見えたはずが、13年にはクレームの多発に見舞われた。金谷は「これまで利益重視で目的がなかった」と思い知らされたという。1週間ほど悩み抜いていた時、たまたま停電に襲われた。電気が通らず、生活にも支障を来した。「電気のように、世の中になくてはならぬものを売り込もう」。そう決意するきっかけとなった。  従業員と一緒に、生活上の“困りごと”を200ほど書きだしてみた。その中で目に付いた課題がコインパーキング不足だった。出かけた先で駐車場が見つからない。空きかどうかも駐車場へ行って初めて分かる。何とか事前に空き情報を知り、予約をできるサービスはできないか。  13年10月から全国の月極駐車場などへ訪問し、交渉を開始。14年4月には全国で約700台分を確保した。サービス名を「akippa」として、そんなサービスを立ち上げた。ディー・エヌ・エー(DeNA)から約5000万円の融資を受け、同年12月には全国のITベンチャー向けコンペ「IVS Launch Pad」で優勝。15年2月に株式会社化し、16億円の資金調達に成功した。  事業も軌道に乗ってきた昨秋、金谷は創業時から苦楽をともにしてきた執行役員をあえて退任させた。今後の成長には、新たに採用した社員の手腕が必要だと判断した。「皆で責任を分担して成長していく」と決意する。 (敬称略) (文=大阪・中野恵美子)

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