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皮膚呼吸が可能な貼り付け型ナノメッシュセンサー

東大と慶大が開発
皮膚呼吸が可能な貼り付け型ナノメッシュセンサー

フレキシブルバッテリーから電力を供給して発光ダイオードを点灯させた(東大提供)

 東京大学大学院工学系研究科の染谷隆夫教授(理化学研究所主任研究員兼務)らは、慶応義塾大学医学部の天谷雅行教授らと共同で、皮膚呼吸が可能な貼り付け型ナノメッシュセンサーを開発した。1週間皮膚に貼り続けても炎症反応が起きず、長期の生体計測などに応用が期待できる。英科学誌ネイチャーナノテクノロジー電子版に掲載された。

 生体適合性の高い金と高分子(ポリビニルアルコール)を、ナノメートルサイズ(ナノは10億分の1)のメッシュ構造に作り込んだ電極を開発。通気性と伸縮性を備えており、少量の水で簡単に皮膚に貼り付けられる。

 20人の被験者に対してパッチテスト(かぶれと皮膚アレルギー試験)を行ったところ、1週間連続して装着しても明らかな炎症反応は見られなかった。

 ナノメッシュ構造のガス透過性が高いことから、自然な皮膚呼吸が行える。電極は薄く軽量なため、不快感がなく装着していることを感じないという。

 開発したナノメッシュ電極を使い、金属などの導体に触れたり離したりしたときの抵抗変化や温度、圧力センサーの動作、腕の筋電計測などを行い、生体計測への適用可能性を実証した。
日刊工業新聞2017年7月19日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
医療や介護、スポーツなど幅広い用途が見込めそうです。

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