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パナソニック発AIベンチャー、顔認識で運転見守り

登録されていないドライバーは運転できず。好みにあった音楽も
 PUX(大阪市中央区、深江秀和社長)は、人工知能(AI)を使ってドライバーの状態を認識する技術を開発した。自動車内に設置したカメラの画像から、目の位置と顔の向きをリアルタイムに認識。データと照合して居眠り、雑誌を読む、スマートフォンを見るといった状態を検知すると警告を出す。年内にも商品化する。

 PUXはカメラ画像を使った顔認証技術を得意とする。AI技術のディープラーニング(深層学習)を活用し、瞬時に特定の人物の顔を検出したり顔のパーツの位置を特定したりできる技術を持ち、カメラなどの製品に採用されている。こうした技術をドライバーの状態検知に生かした。

 また、独自の顔認識技術の特徴として、光の明暗によって認識精度の影響を受けにくく、サングラスをかけていても認識できるといった特徴もある。

 ドライバーの状態認識機能は自動運転にも役立つ。将来、高速道路での自動運転が可能になれば、一般道でドライバーに運転を預けるときにドライバー側の状態を確認してより安全に運転交代できるようになる。

 登録されていないドライバーは運転できなくする、ドライバーごとに適したシート位置に合わせる、好みの音楽をかける、といった応用も可能だ。

 PUXはパナソニック発のベンチャー企業で任天堂も出資する。
日刊工業新聞2017年7月12日
石橋弘彰
石橋弘彰 Ishibashi Hiroaki 第一産業部
運転するときにクルマが個人を認識してくれると、シート位置や空調、音楽を個人の好みに応じ勝手に調整してくれたりして便利になる。クルマが盗まれる心配もなくなるかもしれない。

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