「なんで環境活動をやるの?」から始まった東芝の環境一斉アクション

自主的に環境活動に参加する拠点が3倍に

イモリの観察会を開催(英)

 東芝の環境一斉アクションが3年目に入った。環境活動に取り組む拠点は2014年の前回から3倍に増えた。田中久雄社長は全グループ従業員20万人の参加にこだわる。ここまで高い目標を掲げた活動は珍しく、従業員に環境意識を根づかせるきっかけとなっている。(松木喬)  【昨年は7万人】  環境一斉アクションは毎年4月1日―6月5日、従業員に自主的に環境活動に取り組んでもらう。活動内容は拠点単位で報告され、一斉アクションの特設ウェブサイトに掲載される。14年は20カ国110拠点から150件の活動が報告された。参加者は地域住民を含めて7万人に上った。  【活動報告400件】  15年の活動も続々と特設サイトに掲載されている。東芝アジア・パシフィック社(シンガポール)は湿地帯の沿岸清掃、常州東芝変圧器(中国)は自動車利用を控える啓発を兼ねたサイクリング、スプリングフィールズフュエル社(英国)は子供たちのイモリ観察会と、地域によって内容はさまざま。24カ国300拠点から400件の活動報告が見込まれる。  他社にも従業員に環境活動を呼びかける取り組みがあるが、東芝ほど大規模な活動は珍しい。  二酸化炭素(CO2)排出削減や生物多様性保全など企業の環境課題は多い。対応を誤ると企業ブランドを失墜させてしまうため、経営リスクでもある。本社にある環境推進部門が呼びかけても、実際に活動するのは現場の従業員だ。従業員に環境問題の重要性を理解してもらうきっかけにし、主体的に行動してもらうと田中社長は全員参加にこだわる。  【何でやるの】  一斉アクションを担当する環境推進室の福嶋香子さんは「初めは『何でやるの』と聞かれたが、今では理解が得られてスムーズに参加してもらえるようになった」という。今回、東芝エレベータだけで130拠点で活動があった。「東芝エレベータのトップに号令をかけてもらえた。トップが姿勢を示すと従業員も動く」(福嶋さん)と実感する。特設サイトにも田中社長の写真を大きく掲示し、参加を呼びかけている。  東芝は不適切な会計問題に揺れている。それでも一斉アクションは参加拠点が増えた。環境意識がなければ活動は定着せずに参加者は減る。一斉アクションは従業員の環境意識の向上につながっているようだ。  最終的な実績は11日、東芝スマートコミュニティセンター(川崎市幸区)で開く報告会で明らかになる。大型スクリーンに写真が放映されるので、一般の人も活動を見ることができる。  <新刊紹介>  「エコ・リーディングカンパニー 東芝の挑戦」(日刊工業新聞)    定価=2,160円(税込み)    田中社長が全員参加にこだわる理由が本書にあります。

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