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大阪万博、「奉加帳方式」での財源確保は困難との声も

誘致合戦が本格化、パリとの勝負予断許さず
大阪万博、「奉加帳方式」での財源確保は困難との声も

誘致ロゴマークを発表する(左から)世耕弘成経済産業相、榊原定征誘致委員会会長、松井一郎大阪府知事(7日)

 大阪での開催を目指す2025年の国際博覧会(万博)の誘致レースが本格化した。日本は、フランスのパリで行われた博覧会国際事務局(BIE)総会でのプレゼンテーションを終えたのに続き、BIEによる現地視察の対応や投票に影響力のある加盟国への働きかけなど誘致戦略を加速させる。25年万博には大阪のほか、パリ郊外(フランス)、エカテリンブルク(ロシア)、バクー(アゼルバイジャン)の各都市が立候補しており、18年11月に開催地が決定する。

 6月中旬に行われたBIE総会でのプレゼンテーションでは大阪府の松井一郎知事が「いのち輝く未来社会のデザイン」をメーンテーマとする日本の開催計画や大阪・関西の魅力を英語で発信。誘致委員会の会長を務める経団連の榊原定征会長とともに官民一体となった取り組みをアピールした。

 榊原会長は5月末の経団連70周年記念パーティーでも、各国の大使館関係者らを前に、日本への支持を訴えるなどあらゆる機会を捉え、誘致活動を展開している。

 今年11月と18年6月にも立候補国によるプレゼンテーションが予定されており、誘致委員会関係者は「各会ごとにどうストーリー性を持たせるかが重要」と話す。

 このほか、中央アジアのカザフスタンで現在、開催中のアスタナ博覧会でも大阪・関西の魅力を発信。期間中のジャパン・デーでは大阪万博を印象づけるイベントも予定。さらに9月までに招致提案書を策定し、BIEに提出することになる。

 開催地はBIE加盟国、170カ国による投票で決まる。日本にとって最大のライバルはフランスとみられるが、万博初開催を目指すロシアや、イスラム教徒を多く抱えるアゼルバイジャンにどこまで支持が集まるか予断を許さない。
日刊工業新聞2017年6月20日
神崎明子
神崎明子 Kanzaki Akiko 東京支社 編集委員
加盟国に対するロビー活動と同時に、国内体制の整備も大きな課題だ。1300億円規模と見込まれる会場建設費について、すでに政府は国と地元自治体、経済界で3分の1ずつ負担する方針を決定している。ただ、経済界からは企業ごとに負担金を割り当てる「奉加帳方式」での財源確保は困難との声がある。規制緩和やスポンサー方式など企業側が資金を投じやすい仕組み作りを急ぐ必要がある。

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