撤退する東芝、参入する京セラ。燃料電池で勝ち残るのはどこだ!

将来、大きな市場が待っているはず

東芝燃料電池システム公式ページより

 東芝は14日、家庭用燃料電池「エネファーム」の製造・販売を7月末に終了すると発表した。東芝は経営再建のために構造改革を進めており、事業の選択と集中のため同事業の撤退を決めた。現時点では事業撤退に伴う工場の閉鎖や人員削減などは検討していない。  エネファームの製造・販売は東芝の100%子会社の東芝燃料電池システム(横浜市磯子区)が手がけている。ただ、同社のエネファーム事業は2015年度から赤字が続き、16年度も赤字の見通しとなっていた。  事業からは撤退するものの、国内の地方のガスメーカーなどにエネファームを提供しており、保守・サービスは引き続き提供する。そのほか、東芝燃料電池システムの純水素燃料電池事業は今後も継続する構え。  エネファームは発電と給湯を同時に行う高効率なシステム。日本では09年に世界で初めて家庭用燃料電池を実用化した。設置する際に補助金を出すなど普及に向けて政府が推進している。  国内ではパナソニックやアイシン精機などが燃料電池事業を手がける。 日刊工業新聞社  京セラは9月までに、ビルなど小規模施設の電源となる業務用燃料電池を発売する。これまでは部材を生産して、家庭用の燃料電池メーカーに供給してきたが、業務用は完成品まで自社で手がける。発売初年度から燃料電池事業の売上高に占める業務用の比率を35%とし、2017年度の部材を含めた同事業の売上高を前年度比50%増に拡大する。日本メーカーで業務用燃料電池の製品化は、富士電機に続いて2社目となりそうだ。  京セラは燃料電池事業の売上高を公表していないが、100億円前後を見込む。業務用の固体酸化物型燃料電池(SOFC)を、東京ガスや大阪ガスなどの供給エリアで提案する。発電出力は3キロワットで、家庭用燃料電池「エネファーム」4台分の電力と湯を供給できる。  京セラは主要部材のセルを開発・生産し、大ガスなどのエネファームに供給している。一方で業務用の完成品は、自社ブランドで売り出す。欧米市場への進出も検討する。  京セラは16年度から、東ガスと共同でSOFCを実証運転してきた。エネファームは排熱を回収する効率が高い固体高分子型が多いが、SOFCは比較的に発電効率が高く、運用コストの低減が見込める。  日本の燃料電池市場は家庭用の設置が累計20万台に達し、普及で先行した。業務用は富士電機以外に、ソフトバンクグループ子会社が米社製を輸入・販売する。政府は「水素・燃料電池戦略ロードマップ」で、17年に業務用SOFCを市場投入するとしてきた。三浦工業や日立造船も開発を進めており、業務用燃料電池の市場が立ち上がりそうだ。 日刊工業新聞2017年5月25日

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