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開創1200年の高野山は今しか見られない!ニュースイッチのイベントサマリー

金堂の御本尊ご開帳は歴史上初めて。ぜひ鉄道各社の特別列車で現地に行こう
開創1200年の高野山は今しか見られない!ニュースイッチのイベントサマリー

1200年の歴史で初めて御本尊をご開帳した金堂

 高野山は今年、弘法大師・空海が真言密教の道場を開いた「開創」から1200年。これを記念し、御本尊の開帳をはじめとした秘宝の公開など、今年しか見られない特別イベントが目白押しだ。

 開創1200年を記念して、南海電気鉄道は、なんば-高野山間の特急「こうや」で、特別仕様車両を運行。JR西日本は高野山、熊野、白浜を回るアクセスバスを運行するなど、高野山につながる公共交通機関も、期間限定のさまざまな取り組みをしている。

 4月2日から5月21日までの50日間開かれていた開創1200年記念大法会には、安倍首相や秋篠宮ご夫妻などの国賓も訪れた。高野山ではこの期間の参拝者を、当初30万人程度と見込んでいたが、訪日外国人の拡大なども後押しし、約50万人が訪れるなど、想定以上の盛り上がりをみせた。

 高野山では大法会に合わせて、金堂や金剛峰寺の御本尊を開帳。中でも金堂は、過去に御本尊を開帳した記録がなく、建立時以来、初めてとなった。1200年ぶりの歴史的な開帳とあって、大法会の期間には、金堂に見物客が大勢詰めかけたものの、金堂では大法会も行われていたことから、「折角来たのに見えなかった」という声が殺到。急遽、10月1日から11月1日まで、再び開帳することとなった。高野山によると、来年以降、開帳の予定はないとのこと。秋に再度チャンスがあるので、是非訪れてみてほしい。

 ちなみに、真言宗の総本山である金剛峰寺の御本尊の開帳は、1999年に行われた平成の大修理落慶大法会以来、16年ぶりとなる。

 このほか、金堂の前にそびえる壇上伽藍の中門が、焼失から172年ぶりに再建された。新たな中門は、鎌倉時代の建築様式をもとに設計。開創1200年に間に合わせるため、2010年に着工し、5年の歳月をかけて完成させた。鎌倉時代の中門を再建するため、屋根には檜皮葺を使用。約1500本分の檜皮を使い、専門の職人が1枚1枚手作業で作った。

 宝物殿の霊宝館では、高野山三大秘宝、飛行三鈷杵(ひぎょうさんこしょ)、聾瞽指帰(ろうこしいき)、諸尊仏龕(しょそんぶつがん)のほか、快慶の孔雀明王像、運慶の八大童子像も展示する。これらが同時に公開されるのは、初めてとなる。

 南海電鉄は高野山の開創1200年にともない、特別仕様車両の特急「こうや」を運行。特別仕様車両は「赤こうや」「黒こうや」「紫こうや」と3種類のバリエーションを展開。赤こうやは高野山の根本大塔や大門、黒こうやは蒔絵、紫こうやは高徳僧の袈裟をそれぞれイメージし、金色のあでやかな装飾を施している。

 JR西日本では11月末まで、「高野・熊野・白浜アクセスバス」を運行。高野山の奥の院前から紀伊田辺と、同じく奥の院前から熊野の本宮大社前の2ルートで運行しており、高野山から和歌山県内の観光地に気軽に足を伸ばせるようにしている。また、4~6月までの期間限定で「和歌山フリーパス」を販売。特急「くろしお」往復普通車指定席と和歌山フリーエリアに3日間乗り放題で9000円と、お得に周遊することができる。

 高野山には52の宿坊があり、泊まることもできる。各宿坊には精進料理やお風呂など、それぞれ特徴があり、高野山を訪れる楽しみの一つでもある。

 標高900メートルにそびえる聖地・高野山を、この機会に訪れてみるのもよいかもしれない。
ニュースイッチオリジナル
高屋優理
高屋優理 Takaya Yuri 編集局第二産業部 記者
高野山は金剛峯寺を中心に117の寺院があり、一体には神秘的な雰囲気が宿ります。この霊験あらたかな高野山がフランスをはじめ、欧米人にうけていて、私が行ったときも、たくさんの外国人がいました。

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