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森トラストが箱根の老舗旅館を取得、高級宿泊施設に再生

文人墨客が数多く訪れた「強羅環翠楼」
 森トラストは箱根の高級老舗旅館「強羅環翠楼(ごうらかんすいろう)」(神奈川県箱根町)を取得した。同旅館は旧三菱財閥の岩崎家別荘を継承して、1949年に開業した。政界人や芸術に関わる文人墨客が数多く訪れるなど、箱根有数の老舗旅館として知られる。同社は当面、老朽化した施設の改修を進め、一層のサービス向上を目指し高級宿泊施設に再生する。取得額は公表していない。

 森トラストは箱根・強羅が別荘地などとして格式の高い地域であることから、宿泊機能の再構築に力を入れている。14年には会員制リゾートホテルを刷新し、開業した。強羅環翠楼とは別の老舗旅館の再生も進めており、20年ごろに開業する予定。
日刊工業新聞2017年5月24日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
この前「工場誘致と観光客数アップに固執する残念な地方創生」の記事。たびたび人気の温泉地ランキングでもトップに輝く箱根温泉がある箱根町だが、高校を卒業した若者がどんどん町外に流出し、箱根町の人口流出率は神奈川県でトップだという。この背景は観光産業が地元経済への波及効果を産んでいないことが要因として挙げられると記されている。ファンドや大手資本による老舗旅館の再生物語はよくある話だが、「地元に根付く」という視点を忘れないで欲しい。

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