神津島村に離島の再生エネ・EV導入モデルを見た!

小規模だが「現実的で実用的」

神津島村公式ページより

 伊豆諸島の東京都神津島村は、太陽光発電や蓄電池、電気自動車(EV)を活用したエネルギーシステムを構築した。各地で展開されているスマートコミュニティー(次世代社会インフラ)実証事業と比べると小規模だが、効果を実感できる設備。事業を支援した国際航業(東京都千代田区、土方聡社長)エネルギー事業推進部の直井隆行主任技師は「現実的で実用的」と胸を張る。  神津島は太平洋に浮かぶ離島で、人口は1800人。村は公共施設2カ所に太陽光発電システムと蓄電池を、1カ所に太陽光発電システムを設置した。  最大規模の「生きがい健康センター」の太陽光発電は14キロワット、蓄電池は充電容量16・8キロワット時。EVは2台で、充電容量はいずれも10・5キロワット時。充電器は太陽光発電のある3施設に設置した。一連の事業は環境省と都の補助金を活用した。  太陽光が作った電気は施設で使う。使い切れない余剰電力は蓄電池にため、夜間や雨天時に施設で利用する。太陽光の電力を自家消費し、電力会社から購入する量を抑える。  島が電力を依存するディーゼル発電は燃料の輸送費がかかるため、発電コストが本土よりも高い。太陽光発電の利用が進めばコスト低減と二酸化炭素(CO2)排出削減が期待できる。  EVは、より効果を実感しやすい。島のガソリン代は本土よりも高い。導入したEV2台は、村の職員が日常的に利用するのでガソリン代節約による効果が分かりやすい。また、走行範囲は島内なので長距離運転による電池切れの心配がない。  災害時にも活用できる。停電時、太陽光発電と蓄電池を備えた施設は電源を確保でき、避難拠点となる。施設以外はEVが移動し、車載の蓄電池から電気を供給する。  国際航業は助言や工事管理で事業を支援した。国や都の補助金を活用すると、年度末までに完成させる必要があるなど時間の制約が出てくる。  そこで同社は、提案内容から施工者を選ぶプロポーザル方式の発注を村に助言。設計や施工など業務別に発注する手間がなく、時間短縮できた。  施工者にも配慮した。離島には機材の運搬など、本土とは違う費用や工事の制約が発生する。同社エネルギー事業推進部の池畑浩一担当部長は「プロポーザル方式だと、施工者は離島特有の課題も織り込んで提案できるのでリスクを抑えられる」と説明する。  エネルギー費の高い離島ほど、再生エネやEV導入の効果が出やすい。構想段階から携わった国際航業は、他の離島にも提案できる経験を得た。 (文=松木喬)

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