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自動車教習所がラブコール、試乗イベントでバイク離れに歯止めをかける!

未体験者や小学生に楽しさ伝える
自動車教習所がラブコール、試乗イベントでバイク離れに歯止めをかける!

教官らによるバイクパフォーマンスに多くの拍手がわき起こった(藤沢高等自動車学校)

 2輪の販売台数が下がり続けている中、自動車教習所が主導してバイクに乗ったことがない人でも楽しめるイベントを開き人気になっている。

 神奈川県藤沢市の藤沢高等自動車学校では4月23日に「春のバイク祭り」が開かれた。国内外のメーカーモデルの試乗会や教官と一対一による体験教習、各パーツショップによるブースなどのコンテンツを催した。

 昨年に続き2度目で、今回から国内のバイクメーカー4社(ホンダヤマハ発動機スズキ川崎重工業)や日本自動車工業会(自工会)などが協力。告知などを展開しつつ、イベントが2輪人口の増加にどのようにつながるか、またイベントをどのようにバイク人気につなげていくかを探った。

 今回の来場者は、アンケート回答者ベースで昨年より約100人多い588人が来場。2輪免許取得希望者の入校も3人増えて29人となった。同校の後藤輝美副管理者は「今年は盛況だ」と笑顔だった。
免許のない人向けのマンツーマン教習に多くの人が集まった(藤沢高等自動車学校)

 臼田(さいたま市大宮区、臼田和弘社長)が運営する自動車教習所「ファインモータースクール」の上尾校(埼玉県上尾市)では4月29日、「まるごとバイクフェスティバル」が開かれた。

 このイベントは05年、教習車両の取引がある専門店のサイクルロードイトー(さいたま市北区)と協力してスタート。「単純に2輪の楽しさを広げたいと感じたのと、2輪人口の底上げを図りたく、始めた」と藤井達哉総務部お客様課長は振り返る。

 国内外各メーカーのモデルの試乗会のほか、教官にマンツーマンで教えてもらえる体験教習や、小学生向けのミニバイク走行会などがある。

 今年から会員制交流サイト(SNS)にページを開設し、情報発信を始めた。その結果、去年より400人増の約1400人が来場した。2輪免許を取得するために同教習所へ入校する人数もここ3年は増加傾向にある。今後も継続開催を予定している。
ファインモータースクールでは、小学生らによるバイク体験が人気だ

 日本自動車工業界の調査によると日本メーカー4社の2輪車の国内販売台数の合計は1982年の約328万台をピークに減少し、15年は約37万台だった。2輪車の需要台数も、99年度に85万6000台と100万台を割って以降漸減傾向で、現在は40万台レベルだ。

 国内メーカー4社および自工会が協力するイベントは、5月21日に埼玉県鶴ケ島市で、同28日に神奈川県座間市で、それぞれ地元の教習所を舞台に開かれる。バイク需要を少しでも増加させていくために、知恵を絞り続けている。
日刊工業新聞2017年5月9日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
 4月20日、相模湾を臨む大磯プリンスホテル(神奈川県大磯町)で日本自動車輸入組合(JAIA、東京都港区)が主催する輸入2輪車の試乗会が開かれた。バイク雑誌やウェブメディアなど向けに実施しているものだ。この会は、2015年から毎年継続的に開かれており、毎年200人近くのメディア関係者らが、約10社の海外製2輪を試乗する。  そもそも会を実施したきっかけは、10年に国内の輸入2輪車ディストリビューターが集まって、JAIAに2輪担当部門が設立されたことに端を発する。「数年間、共同で活動して市場の縮小が予想以上に進んでいることが分かった。このままではまずいと感じ、4輪車部門が展開しているような試乗会を、2輪部門でも始めようと思った」と横田保彦二輪業務室次長は振り返る。  3回目を迎えた今年は「多くのメディアの方が来てもらえるようになり、輸入2輪をアピールしたいという最初の目標は達成できつつある」と横田次長。輸入2輪車の年間販売台数はここ5年、約2万1000―2万3000台で推移しており、今後も業界全体で底上げを図る考えだ。来年も4月中旬に開催予定で「まず、春のこの時期はバイクに乗るのに良い時期だし、3月のモーターサイクルショーが終わった直後だ。会を通じて更なる購買につなげたい」としている。 (日刊工業新聞第一産業部・山田諒

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