大手銀行、カードローン審査厳格化。次は地銀か

非金利収入を増やす方向に

 大手銀行がカードローンの自主規制の強化に乗り出している。みずほ銀行は融資額の上限を年収の3分の1に引き下げた。三菱東京UFJ銀行も上限の引き下げを検討している。三井住友銀行を含めメガ3行は、収入証明書の提出を求める基準を厳しくする。過剰融資の懸念に対応し、審査を厳格化する。  みずほ銀は他社からの融資を含めた貸付額が、利用者の年収の3分の1を超えることがないよう審査基準を厳格化した。従来は上限を2分の1程度としていたもよう。  三井住友銀は4月から、50万円超の融資申し込みの場合、収入を確認できる源泉徴収票などの証明書提出を求めている。従来は300万円まで証明書なしで貸していた。  三菱東京UFJ銀も証明書を求める基準を200万円超から50万円超に引き下げる方向で検討する。  みずほ銀も200万円までだが、同様の措置を検討中だ。利用者の収入をより正確に把握して、返済能力を見極める。三菱東京UFJ銀はテレビCMの放映時間も短縮する。  カードローンは無担保融資で、年利は2―15%程度。日銀の大規模金融緩和に伴う金利低下で銀行の利ざやが縮小する中で、貸付金利の高いカードローン残高は拡大している。  2013年度以降、毎年約1割のペースで伸ばし、16年末に残高は5兆4377億円に達した。現金自動預払機(ATM)で簡単にお金を引き出せ、銀行から借りられる安心感から利用が増えている。  最高裁の統計では個人の自己破産申請は、16年は前年比1%増となり13年ぶりに増加した。  背景には銀行のカードローン事業の急拡大が指摘されている。医療費を払うなど一時的にまとまったお金が必要な時に、カードローンの利便性が有効だとの見方もある。ただ、無担保で使い道が限定されないため、ギャンブルなどに使われて借金が膨らむ例は少なくないようだ。  10年の改正貸金業法の完全施行で、貸金業者は個人の年収の3分の1までしか貸せない総量規制が導入されたが、銀行は適用外になっている。  この問題を巡って日弁連は昨秋、意見書をまとめ、「年収3分の1を超える貸し付けが行われ、顧客にとって過剰な借り入れとなるケースが少なからず存在することは明らか」と指摘する。  日弁連が問題視するのが保証会社との関係だ。銀行がカードローンで貸し付ける際に、貸金業者が引き受ける保証の残高も増えている。  意見書では仮に、貸金業者が総量規制で自らは貸し付けができないような顧客に対し保証だけを引き受けて、「それが顧客にとって過剰な借り入れとなるケースが生じているのであれば改正貸金業法の趣旨を没却するものといわざるを得ない」としている。  全国銀行協会は3月に、顧客の年収・借入総額の確認を徹底することなどを会員各行で申し合わせ、返済能力を超える過剰貸し付けを防ぐ取り組みを始めた。  こうした中で大手銀行による自主規制が本格化した。今後は地方銀行などにも同様の措置が広がりそうだ。

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