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鮮やかなアート×トイレ、ドバイへ!仕掛け人は仙台の水道工事会社

浮世絵など50種デザイン
鮮やかなアート×トイレ、ドバイへ!仕掛け人は仙台の水道工事会社

和風の洋式トイレで海外ニーズを”くみ取る”?

 【仙台】仙台空港駅(宮城県名取市)に、仙台・宮城の観光PRキャラクター「むすび丸」をラッピングしたトイレがある。このユニークなトイレは、ツイッターなど会員制交流サイト(SNS)で話題になった。手がけたのは社員9人の水道工事会社、泰光住建(仙台市泉区、赤間晃治社長、022・378・4543)だ。

 商品名は「アートレッタ」。「アート」と「トイレッタ」(イタリア語でトイレの意味)を組み合わせた造語。葛飾北斎や写楽らの浮世絵、日本画のほか、キャラクターなど50種類以上のデザインを用意する。

 赤間社長は「トイレにシールを貼るだけと思われては困る」と力を込める。輸入した素材に改良を加えた独自のフィルムと、便器の形状に合わせた図面の設計が必要で、職人の手によるミリメートル単位の施工技術が生きている。赤間社長は日本最大級のデザイン展「東京デザインウィーク」(2016年)でトップクリエイター50人に選ばれた。

 赤間社長は「市場は日本でなくてもいい」と海外に目を向ける。現在、ドバイ(アラブ首長国連邦)で事業展開を模索する。「流行の感度が高く、他国の人も多く訪れる。同国を足がかりにし、距離的にも近いアジアやヨーロッパへの進出も狙える」と話す。

 トイレッタの価格は本体を除く施工費用が8万5000円から。20年度に事業売上高1億円を目指す。機能性と清潔感を重視するトイレに、地方の水道工事会社がアートデザインで新風を吹き込もうとしている。
日刊工業新聞2017年4月7日
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
日本人のトイレに対するこだわりはついに機能だけでなく外観にまで。ちょっと落ち着かない気もしますが、確かに海外ではうけがよさそうです。

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