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新幹線の走行データ24時間監視します!JR東海が分析センター開設へ

定期検査から車両データ分析に置き換え、省力化と予防保全を両立
新幹線の走行データ24時間監視します!JR東海が分析センター開設へ

データ分析の装置を開発し、車両状態を継続的に監視

 JR東海は東海道新幹線の走行データを24時間体制で監視、分析する「車両データ分析センター」を7月に新設すると発表した。車両の運転状況や各機器の動作状態などのデータを分析する装置を開発し、車両データ分析センターに自動伝送して、車両の状態を常時監視する。

 新たに車輪など台車の表面温度を非接触で測定する「新幹線台車温度検知装置」を導入し、台車の健全性についても継続的に確認する体制を構築する。

 従来、車両機器の状態は、概ね2日1回のペースで実施する「仕業検査」など、定期的に実施する各検査で把握していた。走行中のデータを常時監視する体制を整えることで、検査の精度を高めることができる。

 分析センターは東京の大井車両基地と大阪の鳥飼車両基地の2カ所に設置し、人員をそれぞれ8人ずつ配置。24時間体制で走行データを分析、監視する。

 台車温度検知装置はJR東海の小牧研究施設で開発した。地上に設置する赤外線放射温度計が、その地点を通過する列車の車輪や軸箱などの台車回転計の重要部品の表面温度を非接触で計測する。計測したデータを車両データ分析センターに送ることで、台車の健全性を監視する。

 JR東海では新たなメンテナンス体制の確立、仕業検査をはじめとする従来実施していた検査の一部をデータ分析に置き換え、省力化を図る。また、車両の状態を常時監視することで、異常などを事前に把握し、予防保全につなげる。
日刊工業新聞 2015年05月29日 建設・エネルギー・生活面記事を加筆修正
高屋優理
高屋優理 Takaya Yuri 編集局第二産業部 記者
新設する「車両データ分析センター」には、東京の大井車両基地と大阪の鳥飼車両基地に8人ずつ人員を置きます。24時間体制で監視するには、そのくらいの人数が必要になるそうです。今後はこうして集めたデータを、ビッグデータとして運行やメンテナンスにどう活用していくのか、ということにも取り組みのポイントになっていくと思います。

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