女性の活躍だけじゃない!日本生命の「イクボス」ダイバーシティー経営

山内千鶴執行役員に人財戦略を聞く 「育児休業は実は会社にとってもメリットがある」

「イクボス」育成について語る山内さん

 ―生命保険は営業職を中心に女性が多い業界です。ダイバーシティー(多様性)を進める上で女性の活躍は欠かせません。  「2008年に輝き推進室を人事部内に設置し、女性4人でスタートした。当初は子育てと仕事の両立を支援するため、社内の施策を体系的に整理したハンドブック作りから始めた。他部署のリーダー的な女性従業員とも協力することで、例えば地域単位で女性活躍を推進するためのフォーラムを実施したり、活躍している女性を社内で紹介するなど活動を広げることができた」  ―経営トップへの働きかけも大きかったのでは。  「一連の取り組みで従業員個人の意識改革が進むと、12年頃から経営層も社内外にメッセージを発信するなど理解を示してくれるようになった。女性活躍にはトップの本気度が大きく問われる。その意味では、社長をはじめ経営トップが女性活躍を“経営戦略”と明確に位置づけてくれたおかげで、担当者としても大きく勇気づけられた」  ―15年からは“イクボス活動”を始めました。この狙いは。  「経営トップだけでなく、課長など身近な上司である中間管理職も思いを共有する必要がある。そこで外部のNPO法人とも連携し、15年から本格的に取り組んでいる。『子育て』の支援だけでなく、部下の育成や自由闊達(かったつ)な風土づくりにも注力するイクボスを育成したい」  「育児休業をとるのはマイナスと思われがちだが、実は会社にとってもメリットがある。当社では管理職向けにハンドブックを作成し、子育てによって、部下の時間管理能力、リスク管理能力、周囲とのコミュニケーション能力が向上することを明記している」  ―障害者雇用にも力を入れています。  「特例子会社で障害者を雇用している。知的障害、精神障害を分けることなく、チーム制にしているので、皆で助け合う風土が根付いている。健常者に頼ることなく、営業活動もするし、業務を効率化するために、何げない事務作業の改善活動を自分たちで提案し、実行する文化が根付いている。健常者と同様、仕事の厳しさも肌で感じているからこそ、外に出て講演もできる」  ―一連の取り組みの成果を社外へ発信することにも力を入れています。  「日生は女性従業員が多い会社。女性活躍でも当社が率先して課題を解決することで世の中全体に貢献できると思う。例えば男性従業員の育児休暇の取得については2年連続で取得率100%を達成した。男性の育児参画が女性従業員の活躍には不可欠。当社が実例を示すことで、同じ悩みを抱える他業界にいい影響を与えていきたい」 (聞き手=杉浦武士)

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