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ロボット2台とフリーディスカッションするシステム。何が生まれる?

NTTメディアインテリ研、話題蒸し返さず会話進行
ロボット2台とフリーディスカッションするシステム。何が生まれる?

ロボット議論システムの会話イメージ(NTT提供)

 NTTメディアインテリジェンス研究所などは、自由討議ができるロボット議論システムを開発した。あらかじめ用意した会話シナリオに沿って話すのではなく、たくさんの論点とその賛否の意見にもとづいて話が続いていく。ロボットとの対話を通じて視点の多様さに気付いたり、共通理解が深まったりすると見込んでいる。

 ヒト型ロボット2台とユーザーがフリーディスカッションできるシステムを開発した。1台のロボットが問いかけ、もう1台のロボットが別の意見を提案して会話をサポートするなど、ユーザーがロボットに問い詰められる印象を軽減して議論を円滑化した。

 議論の内容はテーマに対して賛否の意見や論点を整理しておく。例えば夕食に関する議論で「すしはラーメンより良い」というテーマに対して賛成意見として「すしは健康的」「すしは職人技」、反対意見として「ラーメンは種類が豊富」などと論点を整理する。さらに「すしは健康的」について「魚は体に良い」、「実はカロリーが高い」など、数百以上の論点を分岐データにまとめておく。

論点の分岐データ、白いボックスが一つのトピック(NTT提供)

 分岐データに基づいてロボットが話題を振り、会話が進んでいく。ユーザーが各論点を肯定的に受け取るか否定するか記録し、同じ話題を蒸し返さないようにしている。論点を満遍なく話したか確認でき、議論の漏れを防げる。

 ロボットとの議論は説得力があるという。論点の賛否データは自動で構築する研究が進んでおり、NTTも開発を進める。

日刊工業新聞2017年3月29日
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
話題を蒸し返したり、「今その話いらなくない?」という話題を長々話したりというのは人同士の議論ではよく見られる光景ですね。クリエイティブ性があるかは置いておいて、ロボットに効率的な会議を教わる日も近いかもしれません。

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