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コンビニ化する総合スーパー。不採算店舗で機能見直し相次ぐ

ユニーはファミマの情報端末設置。イオンはダイエー旗艦店を新業態に
コンビニ化する総合スーパー。不採算店舗で機能見直し相次ぐ

地域色を出すことで生き残りを図る(イオンスタイル碑文谷)

 総合スーパーマーケット(GMS)大手各社が、店舗のサービスやフォーマット(業態)の見直しに動いている。GMSの業績は各社とも苦戦しており、不採算店舗の整理や業態の見直しが急務だ。一つの館でさまざまな商品を買うことができるGMSならではの良さを生かしつつ、地域のニーズを反映した店づくりに知恵を絞っている。

 「業績は急に悪くなった訳ではない」。3月1日に就任した三枝富博イトーヨーカ堂社長は、こう強調する。専門店や電子商取引(EC)に押され、不調だとされている衣料品についても「(お客さまの)支持はあるが、マーケティング力が必要」と指摘する。

 「アピタ」「ピアゴ」を運営するユニーは、公共料金の支払いやチケット発券などができる、サークルKの情報端末「Kステーション」を10店舗に設けている。

 24日にはショッピングセンター(SC)「テラスウォーク一宮」(愛知県一宮市)に、ファミリーマートの情報端末「ファミポート」を設けた「ファミリーマートサービススポット」を置く。Kステーションからの転換も含め、2018年2月末までに約20店舗で、同スポットを設ける予定だ。

 16年9月にユニーグループ・ホールディングス(HD)とファミリーマートが経営統合。傘下のサークルKやサンクスのブランドも、順次ファミマに転換している点を生かす。

 イオンはダイエーの旗艦店だったダイエー碑文谷店を新業態「イオンスタイル碑文谷」に改装し、30日に全館を開業する。今回の改装で、店舗の近くの家を訪問して要望を聞き取り調査した。聞き取った“お客さまの声”を、店づくりに生かした。

 同社はイオンスタイル碑文谷を16年12月に一部開業した後も、食品については産地や製法にこだわりがある商品、調理用品や収納商品に関しては気軽に使える“普段づかい”の商品のニーズが高いといった来店者の声を参考に、継続して検証している。

 イトーヨーカ堂は17年2月期に、営業損益で110億円の赤字(前年同期は139億円の赤字)を見込んでいる。GMSは食品スーパーなどと比べて業績が苦戦しているが、三枝イトーヨーカ堂社長は「ワンストップショッピングの良さはある」と話す。

 営業時間や店舗に人を呼び込むための仕掛けなどを、個々の店舗ごとに見直し、経営の立て直しを図る計画だ。
(文=江上佑美子)

日刊工業新聞2017年3月23日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
個人的に総合スーパーへ行く動機は駅に近く食品を買うためだけです。碑文谷店は歩いていけない距離でもないが、これまで行ったことはほとんどなかった。ちょっと試しに足を運んでみよう。それも日常は不満ありながら〇〇スーパーに通ってしまうだろう。

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