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低出生体重児が増えている。P&G、世界最小の紙おむつ販売

800g未満の赤ちゃん用
 P&Gは16日、世界最小の紙おむつを開発したと発表した。800グラム未満の「低出生体重児」用で、4月末から病産院向けに販売する。高齢出産の増加や医療の発達などを背景に、2500グラム未満と小さく産まれる低出生体重児が年々増加している。同社はまず、日本で先行発売し欧米やアジア市場にも拡販する。

 P&Gは日本の病産院向け紙おむつで、シェアが首位。乳児用紙おむつブランド「パンパース」で、プレミアムラインの「パンパースのはじめての肌へのいちばん」シリーズから、低出生体重児用製品を展開している。通常の新生児用紙おむつは3000グラム前後だが、今回新たにサイズを細かく設定した。低出生体重児用製品から、800グラム未満(写真)と1500グラム未満の紙おむつ2種を新たに投入した。同社によると、800グラム未満の紙おむつは世界で初めて。

 新製品は、まず4月末に日本の病産院向けに販売。新生児集中治療室(NICU)の看護師などの意見を取り入れた後、欧米や中国をはじめアジア市場に拡販する。

 P&Gは、乳児が生まれて初めて肌に触れる病産院向けの紙おむつを強化することで、ブランド力強化や存在感を引き上げ、消費者の同社に対する信頼などを高める狙い。P&Gジャパンのスタニスラブ・ベセラ社長は、今後の紙おむつ製品の戦略について「プレミアムパンツラインに焦点を当てていく」として、付加価値商品を強化する考えを示した。

 厚生労働省によると、現在10人に一人が2500グラム未満の低出生体重児として生まれているという。女性の社会進出や共働き世帯の増加、医療の発達などを背景に、低出生体重児の出生率は20―30年前と比較して年々増加している。
日刊工業新聞2017年3月17日
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
800グラム未満というとお母さんは不安でたまらないはず。2500グラム未満の赤ちゃんは男で8.5%、女で10.7%を占めます。出生時の平均体重は、35年間で約200g減少したとのこと(内閣府「平成25年版 子ども・若者白書(全体版)」)。

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