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全国高校サッカー優勝・青森山田高を「アシスト」した大阪の企業

八尾市のエーアールファクトリー、短納期で優勝記念ボール製作
全国高校サッカー優勝・青森山田高を「アシスト」した大阪の企業

青森山田高校公式ホームページより

 サッカーボールへの印刷、始めました―。エーアールファクトリー(大阪府八尾市、新井淳一朗社長)は、1月に第95回全国高校サッカー選手権大会で優勝した青森山田高校(青森市)に、記念印刷した30個のサッカーボールを納めた。青森から大阪への遠距離の注文は、短納期でボールに直接印刷できる同社の技術が評価されたため。無事に仕上げ、新井社長は「挑戦しがいがあった」と満足げに語る。

 エーアールファクトリーは、さまざまな3次元形状の部材や商品へのパッド印刷を得意とする。「ネット検索で見た」と、1月20日に1本の電話が入った。青森山田高校からで、2月25日のサッカーチームの祝勝会までに、記念ロゴをカラー印刷した5号球(直径21センチメートル)を納品できるかの問い合わせだった。「2週間あれば」と新井社長は応じた。

 丸いサッカーボールを正確に位置決めし、多色印刷するのは難しい。ボールの空気を少し抜くなど工夫を凝らし、単色の文言、カラーのチームロゴの印刷にめどをつけた。8回にわたる校正見本を経て、2月20、21の2日間で30個を製作し、発送した。

 同社では単色パッド印刷の得意技に加え、多色刷りに挑戦しようと、国のものづくり補助金を活用して2016年8月にインクジェット式の印刷機を導入したところだった。通常だと、ボールへの記念印刷は材料の段階であらかじめ印刷してから製作され、納期が最低1カ月はかかる。

 ボールは、青森山田高の祝勝会で支援者に感謝の記念品として配られた。「素晴らしいねと好評でした」(青森山田高広報)と優勝に花を添えた。
納品したサッカーボールを手にする新井社長
日刊工業新聞2017年3月8日
斉藤陽一
斉藤陽一 Saito Yoichi 編集局第一産業部 デスク
 技術もさることながら、30個という小ロット印刷に対応できるのも、中小企業ならではの強みと言えそうです。

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