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パナソニック、主要工場をスマートファクトリーに

「予兆管理」や「3Dファクトリーモデリング」など採用
 パナソニックは2018年度までに国内主要工場4カ所以上を「トップランナー工場」と位置付け、モノのインターネット(IoT)技術や人工知能(AI)などを活用した先進製造プロセスを導入する。ドイツの「インダストリー4・0」が提唱する製造プロセスの革新を目指し、個別大量生産(マスカスタマイゼーション)や不良ゼロ(ゼロディフェクト)を実現する。成功事例を横展開してグループ内で工場のスマート化を進める。

 モノづくりの高度化やビジネス全般に及ぶプロセス革新はドイツのほか、日本、米国、中国も国ぐるみで計画を進めている。パナソニックはこうした潮流をにらみ自社のモノづくり力を進化させる。

 社内の生産技術の責任者で構成する「全社CMO(最高製造責任者)会議」で方針を定めた。家電、車載・産業機器、住宅、企業向け(BツーB)システムの4社内カンパニーが、それぞれに「トップランナー工場」を1―2カ所程度選ぶ。工場の生産品目、導入のしやすさ、費用対効果などを勘案して決める。

 個別大量生産や不良ゼロを実現するため、グループ内の工場で実証したプロセスや生産改善の仕組みを組み合わせる。工場内ビッグデータ(大量データ)をAIで分析し、生産ラインの異常発生傾向を学習して警告する「予兆管理」、工場内レイアウトや生産工程の編成を仮想検証する「3Dファクトリーモデリング」などの採用を検討する。

 多様な注文情報に応じて最適な生産計画を素早くシミュレーションして生産現場に反映する「動的生産管理」、製品組み立てや設備保全の作業手順をウエアラブル端末で指示する「作業ナビ」なども導入する見通しだ。

 大手電機メーカーは自社の技術を活用したIoTによる生産革新を進めている。パナソニックもグループ全体で取り組み、生産の競争力を上げる。
『スマートファクトリーJapan』
 製造現場や生産管理の先進化や効率化を目指す「スマートファクトリーJapan 2017」を2017年6月7日(水)〜9日(金)の日程で、東京ビッグサイトにて開催。本展示会は、製造工場においてスマートファクトリーを実現するうえで、欠かすことのできない「IoT」や「インダストリー4.0」を搭載した生産管理・システムをはじめ、製造設備・装置、その他、生産工場に関する技術・製品を展示公開いたします。

 また、昨年まで「クラウドコミュニティ」という名称でセミナーセッションを中心に企画展を実施してまいりましたが、時代の潮流に合わせてID獲得型フォーラムとして「IoT・AI Innovation Forum」を同時開催いたします。
【出展者募集中】
日刊工業新聞2017年3月2日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
昨日、GEの「ブリリアント・ファクトリー」の記事を公開した。なんと450あるGEの世界拠点の中で東京・日野のヘルスケアの工場が昨年はナンバー1に輝いた。「ブリリアント・ファクトリー」、響きがいい。名は体を表す。これまでと異次元の変革にはネーミングも重要だ。

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