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第一三共、MRの営業車で保育園送迎

女性やイクメンの職場環境をサポート
第一三共、MRの営業車で保育園送迎

2月に発足した経営陣と女性管理職の意見交換会を定例化(第一三共提供)

 第一三共は女性社員の活躍に向けた環境づくりを充実させる。未就学児をもつ医薬情報担当者(MR)が営業車両を使って保育施設への送迎を行うことを2月から認めた。また、経営陣と女性管理職が意見交換などをする食事会を今後年間4回ほど開催する方針も決めた。多様な人材が働きやすい風土を構築することで競争力の強化につなげる。

 育児送迎は6歳以下の未就学児をもつなど一定の条件を満たすMRが利用可能。出勤時と帰宅時に営業車で保育施設へ立ち寄り、子どもの送り迎えができる。

 第一三共は外勤時間の確保による業務効率向上や、体力・精神面の負担軽減といった効果を見込んでいる。利用者数は当面が男女計10人程度、将来は同20―30人と想定する。

 利用希望者へは、不適切な営業車の利用をしない旨の誓約書を提出するなどの事前申請を求める。従来、営業車については会社近辺に置くことを原則とし、業務上の必要がある際は上長承認の下で自宅付近への持ち帰りを許可している。

 意見交換会は昨秋に試行し、2月に発足した。試行時は12人の女性管理職と中山譲治社長が参加し、「周囲が男性ばかりで相談がしにくい。(女性上司がいないなどで)目指す姿が上になく将来の進路を描きにくい」(中山社長)といった意見が女性から挙がったことを踏まえて、定例化を決めた。

 今後は年4回程度を開催する方針。社外でキャリアを積んだ女性を招いて話を聞く、社内の男性幹部にも参加してもらうことなどを想定する。

 女性管理職が抱える孤独感の緩和や、男性役員の意識改革につなげていく。
日刊工業新聞2017年3月2日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
第一三共グループは2016年3月31日時点で幹部社員に占める女性の比率が国内は5・0%、グローバルは20・5%だった。

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