中国の古紙リサイクルにみるグローバル経済のらせん

ネット通販の普及で日本から米国から「資源」を輸入

 中国・人民日報によると、インターネットを介した通販、宅配、出前市場の拡大に伴い、梱包(こんぽう)・包装など関連資材の浪費が深刻化しているそうです。2015年の宅配業の荷物取扱件数は206億件、1人当たりでは10数件超だったが、16年にはそれぞれ313億件、20数件に増加しました。  国家郵政局が発表した宅配業発展5カ年計画では、20年には700億件、50数件に膨らむとか。  実家の稼業が包装資材の卸業なのですが、お向かいに古紙回収センターになっていて、包材の原資になる古紙の現状についてお聞きすることができました。  お話を伺うと、中国の通販、宅配などが増えたことで、梱包・包装資材の回収率の問題が出ているということでした。中国は国土が大きく、山奥に住んでいる人がたくさんいる。  この人たちは、周囲に商店が少ないため、通販で買い物をするが、現状その包材を回収する仕組みが浸透していないそうです。  つまり、商品は送料をかけて山奥まで配達されるが、それに使われた包材を回収する仕組みがないため、古紙としての再流通が起こらない仕組みになってしまっていると。その結果、海外から古紙を買い取り、製紙を行っているという構造になっているそうです。  一方、日本や米国などは、今は都市部に住む人が多くなっているため、古紙回収の仕組みはうまく回っており、中国に輸出できるほどの市場になっているそう。  日本の場合だと、回収された古紙で再利用されるもののうち、約75パーセントが国内で使われ、約25%が古紙の状態で海外に輸出されているそうです。  現在の輸出先は中国が中心で、次いでベトナムなど経済発展が起きている国に出荷されているそうです。このようにグローバルなレイヤーで見たときには、現在は古紙の再利用はバランスよく動いているとのこと。  だんだん、中国も回収率が上がってきており、宅配業の成長の一年遅れほどにはなるが、流通量が増えると回収率も上がるので、これから仕組みが追いついてくるのではということでした。  一人当たりの利用件数が増えると、その宅配流通の仕組みの上で古紙を回収する仕組みなども生まれてくるかもしれません。  包装資材は日本は中国から資源を輸入したり、中国に工場を作って製品を輸入するというイメージがあったのですが、古紙リサイクル市場の視点から見ると、日本や米国が中国に資源を輸出している点が面白いと感じました。  この市場の切り口は、経済発展した国、経済発展をしている国、これから経済発展をする国という3つの役割が見えてきます。経済発展をした国が経済発展をしている国にリサイクル資源を供給。同時に、これから経済発展をする国が、次の輸出対象として入ってくるということです。  また、この3つの役割はおそらくらせん上につながっていて、経済発展をした国はまた経済発展をする国になるかもしれません。そうなったときには、またリサイクル資源を経済発展をした国から輸入するという流れになるのでしょう。そうしたリサイクル資源を中心とした循環が動いてる可能性があります。 (文=土田智憲)  

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