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2017年度 自治体予算のポイント教えます《#11》

山口県、岐阜県、富山県
**【山口県】雇用と活力創出に重点
 山口県は22日、2017年度当初予算案を発表した。「活力みなぎる県づくりの深化」と題し、計画最終年度となるチャレンジプランの目標達成と総合戦略の着実な推進を図り、魅力ある雇用の場創出や活力ある地域づくりに予算を集中配分する。新規事業は「立地するなら山口県!企業誘致加速化事業」に3000万円、「事業承継総合支援事業」に1181万円を充てた。

 一般会計は前年度比3・1%減の6809億円。

【岐阜県】産業人材育成・IoTに重点


 岐阜県は20日、産業人材の育成や観光産業の基幹産業化推進などに重点を置く2017年度当初予算案を発表した。成長産業への展開や県産品の海外販路開拓を支援するほか、中小企業のIoT(モノのインターネット)導入やモノづくりスマート化の研究開発を推し進める。リニア中央新幹線や東海環状自動車道西回りルートなどの幹線ネットワーク整備も進める。

 産業振興では商工労働部予算で前年度比12・6%増の562億円を計上。中小企業制度融資貸付金の予算増額などで大きく伸びた。企業の深刻な人手不足を受け、人材確保支援の推進に1億9100万円を盛る。IoT導入に向けた支援で産官共同の実証事業を行うほか、導入促進補助金を設ける。IoT設備対象の低利貸与枠も創設する。水素ステーション整備支援も行う。

 一般会計は同0・1%増の8114億円で5年連続で増加した。

【富山県】無利子融資でIoT化促進


 富山県は20日、中小企業のIoT(モノのインターネット)化支援や創薬など県産業の強みを生かした産学連携推進を盛り込んだ2017年度当初予算案を発表した。グローバル競争を勝ち抜く力強い産業の育成と雇用確保を目指す。

 IoTを用いた設備を導入し生産性の向上を図る中小企業に実質無利子で融資するIoT支援特別資金(融資枠6億円)を新設する。セルロースナノファイバー(CNF)の実物大試作品の製造・評価など、事業化を促進するための実証設備の整備と施設改修に4億9976万円(2月補正)を計上した。

 新たな成長産業への挑戦支援では県産業の特徴を生かし、「未来創薬開発支援分析センター」の最先端分析機器などの整備事業として1億6821万円を計上する。

 一般会計は前年度比1・9%減の5474億円。

《#10》札幌市、堺市、福山市
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《#04》広島県、三重県、千葉市、宇都宮市
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《#01》千葉県、群馬県、横浜市、川崎市、さいたま市、静岡市
日刊工業新聞2017年2月21、23日
三苫能徳
三苫能徳 Mitoma Takanori 西部支社 記者
各自治体とも、IoT推進に“あの手この手”といった感じです。

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