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オフィスで自炊、マンガ持ち込み、筋トレもOK!ウェブ制作会社LIGの働き方

セブや長野などでリモートワークも
 東京・上野を本拠に、長野県の野尻湖畔やフィリピンのセブ島にサテライトオフィス兼コワーキングスペースを展開するウェブ制作会社LIG(東京都台東区、吉原ゴウ社長)。遠隔地でのリモートワーク、新しいビジネスの提案、部活動、社員の副業も認めている。上野のオフィスにはキッチンや漫画本棚、トレーニングスペースまであり、エンジニアらが作業するフロアには音楽が流れる。同社が自由な働き方を進める狙いを探った。

 **米、パスタ、野菜を常備
 東京メトロ日比谷線上野駅に近い昭和通り沿い出口のすぐそば、年季の入った雑居ビルの10階にLIGのオフィスフロアがある。扉をくぐると木目の床と壁が目に飛び込み、左手にはキッチンとカウンター。昼休みなどに自炊が可能で、夜はバーカウンターとしても利用される。ソファとテーブルが置かれた広々とした空間は打ち合わせスペースだ。

マンガのあるフリースペース

 企画経営室の田島ららさんは「今のオフィスに引っ越してきた時に、現社長の吉原が『どうせ同じ時間を過ごすなら楽しい方がいいじゃん』ということでキッチンを作ることになった」と説明する。社員同士のコミュニケーションを円滑化する目的もあり、「当初は吉原自ら、終業後に料理を作ったり飲み食いしたりして使い方をみせた」(田島さん)。
 現在は毎週月曜日に管理課が米、パスタ、野菜や鶏肉を購入して食材を常備している。夜は顧客など社外の人を招いて食べ物や飲み物を振る舞うこともある。飲食以外にも、社員が好きなマンガを持ちよったマンガ本棚や、PR記事がきっかけとなり購入したトレーニング機材なども置かれるようになった。

副業も認める


 同社のユニークさはオフィスだけではない。例えば社員が新しいビジネスを考えた際、企画を役員に提案できる「それいいねやろう制度」。提案がきっかけとなり実際にチームを作って新規事業にチャレンジした例も。働き方では上司の承認が得られれば他の場所で働くことが可能で、長野のゲストハウスにチームで泊まり込んで仕事をしたりしている。さらに社員のスキルを生かした副業も認めている。会社として副業内容を把握し、本業に支障がないかどうかを判断した上で認め、3カ月に一度当該社員から申請書を提出してもらう。

長野のサテライトオフィス(ゲストハウス「LAMP」)

セブのサテライトオフィスとコワーキングスペース

 企業が成長していくうえでは、新たな人材を確保することも課題となる。採用を手がける経営企画室の鈴木諒さんの前職は人材紹介会社の営業。「2015年7月に行われた『ラブレター採用』に応募して入った」(鈴木さん)と、会社への熱い思いが届いた。一方でライター兼マーケターの新城真寿美さんは、「ウェブマーケティングやSEO(検索エンジン最適化)をやっていて、たまたま転職のイベントでLIGの人に声をかけられて、会社に遊びに行ったら面接、という流れになった」と明かす。

(写真左より)鈴木諒さん、新城真寿美さん

 人材採用から働き方まで自由さが目立つ同社は服装や髪型に決まりはなく、奇抜なファッションや金髪なども許されている。ただし「社長からは自由には責任が伴う、服装や髪型を超えられるパフォーマンスを仕事で発揮することが必要だと言われている」(経営企画室の田島さん)という。ブログの軽いイメージとは異なり、社員一人ひとりに自主性や責任感を求める厳しい一面も垣間見えた企業訪問だった。
コワーキングスペース「いいオフィス」

(文=宮里 秀司)
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昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
オフィスと同じビルにあるコワーキングスペースではイベントも定期的に行っており、LIGのオフィス同様居心地の良い空間で仕事をすることができます。今後「いいオフィス」を各地に作っていく予定だとのことです。

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