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「こち亀」両さんに見る産業ストーリーを伝える大切さ

「こち亀」両さんに見る産業ストーリーを伝える大切さ

亀有駅前の両さんのキャラクター

 東京商工会議所葛飾支部、東京都葛飾区は第10回葛飾ブランド「葛飾町工場物語」認定製品のストーリーマンガを発行した。精工パッキングの「ビクトリア型による平板抜き打ち加工技術」、扶桑の「特殊印刷シール」など認定製品・技術の製造背景や製品化に至るエピソードなどをマンガ化した。B5判70ページで、発行部数は8000部。同区役所、テクノプラザかつしかなどで無料入手できる。

日刊工業新聞日刊工業新聞2017年2月2日



アニメキャラ×製造業コラボ


 縁のなかった中小の非コンテンツ企業がコンテンツ産業に関心を寄せ始めている。自社製品をキャラクターグッズに仕立てあげたい、自社技術の普及にコンテンツを活用したい、製品販売に使いたい、海外展開のきっかけにしたい―。国の「クールジャパン戦略」の柱に取り上げられていることもあって期待は高まっている。(石掛善久)

  東京商工会議所が初めて開いた「アニメ等のコンテンツホルダー×製造業等の非コンテンツ企業」と題するコラボ交流会。定員は当初60企業としたが、67企業94人が参加、大盛況となった。

 参加者からは「コンテンツメーカー・ホルダーと交流したかったが、どうすればよいか分からなかった。糸口ができたのでビジネスの可能性について詳細を詰めたい」「キャラクタービジネスはマーケティングに有効だと分かった。交流した企業とのキャラクター活用を検討したい」「ソフトウエア関連会社だが、インテリア関連起業が保有するコンテンツの活用について協業できる可能性を見いだせた」などの声が上がった。

 自社開発した製品販売にキャラクターデザインを活用しようと考えているのが扶桑(東京都葛飾区)。特殊なシール・ステッカーの製造を主業務としており、布生地にこするだけで簡単に転写できるノンアイロンシールを開発した。

 同シールはTシャツやトートバッグなど多くの生地製品に対応できることから、今後思い切った拡販策を実施したい意向。人気の高い有名キャラクターのデザインを利用しようと考え東商が開いたコラボ交流会に参加した。

 営業担当の富田成昭氏は「キャラクター商品購入者の約6割が女性なので、特に大人の商品開発の必要性と、キャラクターを利用した効果的な広告を検討する必要性を感じた」と本格的な検討に乗り出す考え。

 その一方で、「ライセンス利用の制約や方法などが不明確。当社のように小規模事業者(従業員13人)でも気軽に利用できる仕組みづくりがあれば一層コンテンツ産業の可能性も広がる」との思いも抱いたという。

日刊工業新聞2016年10月31日


土田智憲
土田智憲 Tsuchida Tomonori かねひろ
僕は小さいころから、「こちら葛飾区亀有公園前派出所(こち亀)」でいろんな産業の魅力知り、そしてその技術をビジネスにしてしまう両さんに憧れていました。 大学受験の小論文の試験で「次の論文を読んで『発明』しなさい。どのようにビジネスにするか説明しなさい。」という問題が出た。問題文を読んだ瞬間に、ワクワクが止まらなくなったのは、こち亀に日本のマニアックな産業の面白さを見せてもらったからだと思う。僕の大学受験の1番の参考書だったかもしれない。 日本の産業ストーリー、どんどん子どもたちに伝えて欲しい。

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