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トランプ為替批判、4年間は彼の発言に付き合わざるを得ない!?

 米トランプ大統領は1月31日、製薬メーカーの経営トップを集めた会合で為替について言及し、「他国は通貨安誘導を利用し、我々を出し抜いている。中国がやっていることをみてみろ。日本がこの数年でやってきたことをみてみろ」と延べ、中国とともに日本を名指ししで批判した。大統領就任後に日本の為替政策に言及したのは初めて。10日の日米首脳会談を前に日本をけん制する意図があるもようだ。

 トランプ大統領の発言を受け、海外市場で一時1ドル=112円台前半まで上昇し円高方向に振れた。ただこれまで同氏の言動を踏まえれば予想されたことで、市場は比較的冷静だ。

 日本政府は菅義偉官房長官が1日午前の記者会見で、トランプ氏の発言について「全く当たらない。金融緩和は国内の物価安定目標のためで、円安誘導を目的としたものではない」とコメントした。貿易赤字を問題視しているトランプ大統領だが、今後の2国間の通商協定に為替条項を盛り込む方針を示している。
ニュースイッチオリジナル
原直史
原直史 Hara Naofumi
トランプ大統領の発言に対し、事実を誤認しているとか、事実がわかっていないとかの懸念が表明されている。それが正しいかどうかは別にして、重要なことはアメリカ大統領が発言してしまったという事実だろう。 実行に至るまでいくつかの必要な手続きがある場合は、そこで変更が生じる期待もできるが、為替のように発言によって動く対象にはストレートに効く。 4年間は、彼の発言に付き合わざるを得ない、そう腹をくくるしかないのだろう。

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