高脂血症でも揚げ物は食べても大丈夫は本当?

全ての脂肪分が悪いのではない

 血液検査の結果、高脂血症(高コレステロール)と診断される人はどこの職場でも多いことでしょう。人類が飢餓時代を生き抜くために不可欠だった糖分、脂肪、塩分をおいしく感じるのは当然のことです。現代の日本は飽食の時代となり、この三つのとりすぎが問題になっています。  医者や栄養士からは、間食やお酒の量を減らすこと、肉の脂や揚げ物を避けること、適度な運動をするようにと指導されます。しかし、高コレステロール血症でも、天ぷらやヒレカツを食べていいと言われたら、皆さんうれしくないですか。  でも本当のことです。“揚げ物を食べること=高コレステロール血症”ではないのです。確かに一般的に脂肪の摂取が高コレステロールにつながると言われていますし、そのように信じられていますが、実は全ての脂肪分が悪いのではありません。  脂肪酸の中にも血中コレステロールの観点からみると「良い子」、「悪い子」、「普通の子」に分けられます。「悪い子」である飽和脂肪酸を多く含むものは、動物性脂肪であるバター、ラード、牛脂で、俗にいう悪玉コレステロールを増加させます。チョコレートやココアも該当します。  逆に植物油は「良い子」である多価飽和脂肪酸が多く含まれています。その中でも、高リノール酸ひまわり油や大豆油は多価不飽和脂肪酸が50%以上です。ただしオリーブオイルは多価不飽和脂肪酸が少なく、「普通の子」脂肪である一価不飽和脂肪酸がその成分の約90%を占めます。  日本で揚げ物に使う食用油の多くは植物調合油で、「良い子」脂肪酸が「悪い子」脂肪酸の5倍近くあります。ということは、揚げ物の油は高コレステロールへの影響は少ないと言えます。  ここが大事な部分ですが、摂取カロリーを抑えながら天ぷらや脂分の少ないヒレカツを食べる分には、高コレステロール血症を悪化させることはありません。もちろん食事の総カロリー量を増やすと血中のコレステロールを上げる原因になってしまいますので、注意が必要です。  天ぷらやヒレカツを食べる場合には野菜も多くとって、摂取総カロリーを増やさないようにすることが大切なのです。とんかつ定食にキャベツが大盛りなのは日本人の知恵かもしれません。  ごはんおかわりは諦めて腹八分目に止めておくのがいいのでしょう。 (文=矢野正雄・南町田病院医師)

続きを読む

特集