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中小企業から医療機器への参入相談が後を絶たない!

意欲をビジネスに結びつけられるか
 政府が中堅・中小企業の医療機器開発や参入を支援する「医療機器開発支援ネットワーク」の累積相談件数が、春にも1200件を突破する見通しとなった。2016年夏に1000件を越え、現在は約1160件に達した。1カ月当たりの相談件数は、20件ほどで推移している。このうち、専門人材「伴走コンサルタント(伴走コンサル)」がついた件数も春には400件に達する見通し。製造販売業許可の取得を目指す部材供給企業や、医療機器分野へ新規参入を目指す企業などを中心に相談が寄せられている。

 医療機器開発支援ネットワークは、医療機器開発に関心を持つ中堅・中小企業を全国規模で支援するもので、14年10月にスタートした。経済産業省を中心に政府全体で取り組む支援策だ。自治体や商工会議所、産業団体などを全国的に組織し、これらに登録した「伴走コンサル」を通じて医療機器に関心を持つ中小企業をサポートする。

 相談件数のうち、伴走コンサルがついたケースも増えている。現状は約380件だが、1カ月当たり10件程度の相談が寄せられており、今春には400件に達する見通しだ。

 伴走コンサルには、部材供給や異業種からの新規参入を目指す企業からの相談が多く、全体の4割強を占めている。具体的な相談内容としては、規制への対応や販路の開拓、技術開発や市場動向に関するものが多い。

 伴走コンサルの件数が多いのは東京都がトップで、127件だった。大阪府が44件、神奈川県と京都府が19件だった。
                

日刊工業新聞2017年1月27日
村上毅
村上毅 Murakami Tsuyoshi 編集局ニュースセンター デスク
中堅・中小企業の医療機器産業への参入意欲は強い。国や自治体も産業振興の一つとして、支援策を充実している。こうした枠組みを上手に活用することは事業化に有効だろう。ただ制度があっても、基となるコンセプトがしっかりしてなければ事業化は難しい。ニーズは現場にある。モノづくり企業が積極的に医療の現場を見るなど、現場に入り込むことが欠かせない。

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