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手術の負担が減る!肺がんのサイズをセンサーで算出

東大などが開発、腫瘍の位置を正確に把握
手術の負担が減る!肺がんのサイズをセンサーで算出

MEMSセンサーチップ㊧とMEMS6軸力センサー(東大提供)

 東京大学大学院情報理工学系研究科の下山勲教授と中井亮仁特任助教らは、東京電機大学と共同で、鉗子(かんし)先端に実装した微小電気機械システム(MEMS)の6軸力センサーのデータから、肺がんのサイズを算出する手法を開発した。術前のコンピューター断層撮影装置(CT)画像と比較することで、術中の腫瘍判別に応用できる。MEMSに関する国際学会(MEMS2017)で発表した。

 内視鏡手術用の把持(はじ)鉗子先端に取り付けた、MEMS6軸力センサーの触覚情報を使い、柔らかい材料中に埋め込まれた硬質物質のサイズと位置を算出した。算出した腫瘍の大きさとCTスキャンで得た腫瘍の大きさを比べることで、腫瘍を同定でき、手術中に腫瘍の位置を正確に把握できる。

 把持周辺の硬質物質のサイズと位置から、腫瘍の同定を試みる手法はこれまでなかった。手術中に位置の把握が困難な、肺がんの内視鏡下摘出手術に応用できる。開発手法で手術時間が短縮できれば、肺がん患者と医者双方の負担が減る。
日刊工業新聞2017年1月25日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
開発手法で手術時間が短縮できれば、肺がん患者と医者双方の負担が減る。

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