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板金機械の雄、その視線は中・東欧へ

アマダ、ポーランドに拠点
 アマダホールディングスは2018年までに、ポーランドと韓国に板金機械の営業拠点を新設する。いずれも実機と顧客の加工データを使った実演で提案営業をする展示施設。ポーランドでは初、韓国では拡張移転となる。合計で20億円超を投資する。20年にポーランドの売上高を現在比約70%増の25億円に、韓国を同60%増の80億円に引き上げる。

 ポーランドの拠点は、南部クラクフの空港近くに設ける。年内に開業し、従業員を現在比10人増の35人にする。同社は欧州の新興国や未開拓地域を開拓する戦略を掲げている。欧州ではポルトガルでの営業も強化する方針だ。

 韓国の拠点は18年に開業する予定。仁川市の仁川空港近くに約5300平方メートルの用地を購入する。延べ床面積が1000平方メートルの展示施設、本社事務所を建設する。

 現状、施設と本社が離れており、利便性の課題を解消する。他国に比べ導入比率が低い板金を切断するレーザー加工機の販売増につなげる。
日刊工業新聞2017年1月20日
六笠友和
六笠友和 Mukasa Tomokazu 編集局経済部 編集委員
アマダは金属の薄い板を曲げたり、切ったりする板金機械の世界最大手です。欧州の板金機械市場はドイツを筆頭にフランス、イタリアなどの規模が大きく、こうした国々でもアマダはシェア首位級です。これらの成熟市場を充実させつつ、新たに目を向けたのが中東欧です。今後、ポーランド以外の中東欧諸国での事業強化のニュースが聞かれるかもしれません。ちなみに曲げたり、切ったりした金属の板はさまざまな場所に使われていて、例えば会社にあるようなロッカーなどがイメージしやすいでしょうか。

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