次のモービルアイ、ウェイズを探せ! イスラエルの自動運転関連スタートアップ
運転者監視にサイバー攻撃防御、軍事用のレーダー3Dマッピング技術など
自動運転関連でイスラエルのスタートアップが注目されています。その中でも、最もホットな企業の一つがモービルアイでしょう。画像処理や機械学習で高度な技術を持ち、先進運転支援システム(ADAS)関連で多数の車メーカーと提携。うちBMW、インテルとは3社共同で完全自動運転車の開発に乗り出しています。
一方で、ドライバー同士で渋滞情報をはじめとするリアルタイムの交通情報をスマートフォンで共有できるアプリを提供しているのがウェイズ。グーグルが2013年に10億ドル以上で買収したことでも大きな話題になりました。
そうした折も折、1月18−20日まで東京ビッグサイトで自動車関連の先端技術展「オートモーティブワールド」が開かれました。そこにイスラエル企業が10社ほど参加していましたので、次のモービルアイやウェイズのような企業が出ていないかどうか、見に行ってきました。
「今日はブースに来場者がかなり来ているし、顧客になってくれる企業が見つかるかもしれない」。こう上機嫌に話すのは、アイサイトのロニー・グリーンバーグ副社長。」
同社は画像認識技術が強み。車載カメラを通じて運転者の頭や上体の姿勢、まぶたの様子、視線の方向などを常時監視し、居眠りの警告を出したり、運転者個人や乗員数とその位置を認識して座席・ミラー・エアコンなどを自動設定したりできる。
それに加えて、手や指のジェスチャーを画像で認識し、画面を見ないでインフォテインメントシステムの操作ができる技術も持っています。
ジャンゴ・コネクティビティーもカメラと画像処理による運転者監視のスタートアップ。頭の傾きや視線のほか、口や手の動きも高い精度で検知できます。
「車向けのコンピュータービジョンが有望なことから、インフォテインメントシステムの事業をやめて事業転換した」とユバル・ベンジーブ副社長。新分野の製品は4カ月前に出したばかりですが、フランスに1社顧客を持つという。
あらかじめ学習させた物体を、走行中の車載カメラが捉えた車外の映像からリアルタイムに検知し、その位置をサーバーに上げて地図情報として共有する仕組みを開発したのがイオン・テラ。
すでにドイツテレコムのスマートフォン向けには、道路脇の駐車スペース探索ソリューションを提供しています。走行中の車や道路の路面状況、交通信号、屋外広告、歩行者など、事前に物体を登録すれば、さまざまな対象物が検知できるという。
セキュリティー関連では、コネクテッドカーや自動運転車へのサイバー攻撃を防御するカランバ・セキュリティーの「カーウォール」がユニークでした。
あらかじめ製造過程で電子制御ユニット(ECU)そのものにセキュリティー設定を施し、ハッカーがセキュリティーホールを利用してマルウエア(悪意のあるソフト)を仕掛けようとしても、初期設定以外のソフトの部分書き換えは一切受け付けないという、
いわば逆転の発想。ユーザー側ではセキュリティーのノウハウが必要なく、OSやハードウエアにも依存しないといいます。
<次のページ、欧米自動車メーカーが現地拠点の整備急ぐ>
一方で、ドライバー同士で渋滞情報をはじめとするリアルタイムの交通情報をスマートフォンで共有できるアプリを提供しているのがウェイズ。グーグルが2013年に10億ドル以上で買収したことでも大きな話題になりました。
そうした折も折、1月18−20日まで東京ビッグサイトで自動車関連の先端技術展「オートモーティブワールド」が開かれました。そこにイスラエル企業が10社ほど参加していましたので、次のモービルアイやウェイズのような企業が出ていないかどうか、見に行ってきました。
「今日はブースに来場者がかなり来ているし、顧客になってくれる企業が見つかるかもしれない」。こう上機嫌に話すのは、アイサイトのロニー・グリーンバーグ副社長。」
同社は画像認識技術が強み。車載カメラを通じて運転者の頭や上体の姿勢、まぶたの様子、視線の方向などを常時監視し、居眠りの警告を出したり、運転者個人や乗員数とその位置を認識して座席・ミラー・エアコンなどを自動設定したりできる。
それに加えて、手や指のジェスチャーを画像で認識し、画面を見ないでインフォテインメントシステムの操作ができる技術も持っています。
ジャンゴ・コネクティビティーもカメラと画像処理による運転者監視のスタートアップ。頭の傾きや視線のほか、口や手の動きも高い精度で検知できます。
「車向けのコンピュータービジョンが有望なことから、インフォテインメントシステムの事業をやめて事業転換した」とユバル・ベンジーブ副社長。新分野の製品は4カ月前に出したばかりですが、フランスに1社顧客を持つという。
あらかじめ学習させた物体を、走行中の車載カメラが捉えた車外の映像からリアルタイムに検知し、その位置をサーバーに上げて地図情報として共有する仕組みを開発したのがイオン・テラ。
すでにドイツテレコムのスマートフォン向けには、道路脇の駐車スペース探索ソリューションを提供しています。走行中の車や道路の路面状況、交通信号、屋外広告、歩行者など、事前に物体を登録すれば、さまざまな対象物が検知できるという。
セキュリティー関連では、コネクテッドカーや自動運転車へのサイバー攻撃を防御するカランバ・セキュリティーの「カーウォール」がユニークでした。
あらかじめ製造過程で電子制御ユニット(ECU)そのものにセキュリティー設定を施し、ハッカーがセキュリティーホールを利用してマルウエア(悪意のあるソフト)を仕掛けようとしても、初期設定以外のソフトの部分書き換えは一切受け付けないという、
いわば逆転の発想。ユーザー側ではセキュリティーのノウハウが必要なく、OSやハードウエアにも依存しないといいます。
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2017年1月23日付日刊工業新聞電子版