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クラフトビール拡販の切り札は専用ディスペンサー

キリンが飲食店向けに開発、年内に1000店舗導入目指す
クラフトビール拡販の切り札は専用ディスペンサー

クラフトビールの専用ディスペンサー

 キリンビールは居酒屋などの業務店向けに、小規模醸造のクラフトビールを拡販する。販促ツールとして1台で4種のビールに対応できる専用ディスペンサーと、3リットルサイズのペットボトルを用意する。4月から首都圏1都3県の飲食店に営業を仕掛け、2017年内に計1000店体制を目指す。18年以降は首都圏以外の全国に営業地域を広げ、2、3年以内に同5000店規模への導入を目指す。

 キリンビールは14年にクラフトビールブランド「スプリングバレーブルワリー」を立ち上げたのをはじめ、同業のヤッホーブルーイング(長野県軽井沢町)や米国のブルックリン・ブルワリーと資本業務提携するなど、クラフトビールの展開に意欲的。提携による品ぞろえの強みを、業務店向け拡販に生かす。

 キリンが業務店に提供するクラフトビールは、自社のスプリングバレーや「グランドキリン」に加え、ヤッホーの代表ブランド「よなよなエール」、米ブルックリンの「ブルックリン・ブルワリー」が含まれる。

 クラフトビールは一般のビールのように、ジョッキで何杯も飲む商品ではなく「1杯をじっくり味わう商品」(布施孝之社長)のため、専用ディスペンサーと小容量ボトルを開発した。

 業務店の店先で、新鮮な味や香りのクラフトビールを提供できるようにする。

 16年のビール類の課税出荷数量は、12年連続で減少。ビールも15年のプラスからマイナスに転落するなど、若年層のビール離れなどを背景にビール類の落ち込みは止まらない。

 同社は若年層がビールを飲まなくなった要因として、画一的な商品にも理由があると分析。“個性的な味”が特徴のクラフトビールに力を入れている。
日刊工業新聞2017年1月18日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
東京・代官山や横浜に続く店舗開設も予定しているという。

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