ニュースイッチ

明日は「成人の日」。モノづくりの世界で頑張る新成人!

 9日は「成人の日」。総務省統計局によると、2016年に新成人になったのは、前年比2万人増の123万人。インターネットの普及と重なり合って育ってきた世代だ。すでに社会の荒波に揉まれ、頭角を現しつつある人材も少なくない。中堅・中小企業を支える人材として輝き始めた新成人の横顔を紹介する。

オグラ金属/中山鈴音さん−笑顔は魔法のよう


オグラ金属(栃木県足利市) 中山鈴音さん

 自動車・遊戯機器部品製造のオグラ金属(栃木県足利市)。入社2年目の中山鈴音さんは、営業部資材グループに所属する。義理堅く人情味ある社風にひかれ、入社を決めた。半年間の製造現場実習などを経て、同部門に配属された。

 材料伝票を正確かつ効率良く処理するには「グループ一丸で協力しなくてはならない。そこに一番やりがいを感じる」と語る。顧客相手の社内案内など会社の顔としての役割も担う。「笑顔を心がけている。笑顔は魔法のようで、相手も笑顔で応えてくれる」。

 好きな言葉は「反省」。「失敗した時も事実を受け入れることで同じ失敗をせず、次につなげられる」と言い切る。その言葉を念頭に「自分なりのやり方を身につけ、スピード感を持つことで幅広い仕事を任せてもらえるようになりたい」。

 趣味は東京ディズニーリゾート通い。年間パスポートを持ち、毎週末に足を運ぶ。午前にランド、午後はシーなど充実した“ミッキーライフ”を送る。
(文=栃木・前田健斗)

タカネ電機/山内友紀さん−簿記学び独り立ち


タカネ電機(川崎市中原区) 山内友紀さん

 タカネ電機(川崎市中原区)は複写機などに使う電子部品の設計や加工、組み立てを手がける。商業高校出身の山内友紀さんは、経理として現金と当座預金の管理や経費の支払い、海外取引に伴う貿易業務など仕事内容は多岐にわたる。宮内工場(中原区)、宇都宮工場(宇都宮市)、茨城工場(茨城県常総市)の国内3拠点分の経理を任されている。

 月末の経営会議は山内さんが作った資料を基に行われる。社長に求められる決算見込みの数字をはじき出したり、各工場の売り上げや費用、経常利益などを算出する。「金額がきちんと合っているとうれしい」と笑顔。目下の目標は3月の株主総会に向けて決算資料を無事に作り終えることだ。本格的に決算に関わるのは今年からだ。

 簑原利憲社長は「帳簿付けから始まり一歩ずつ階段を上っている。レベルの高い仕事をやってもらいたい」とエールを送る。休日も簿記の勉強に励み「来期の決算では独り立ちできるようになりたい」と語る。
(文=横浜・高島里沙)

伊原電子工業/佐藤匠さん−職域広げ会社に貢献


伊原電子工業(愛知県春日井市) 佐藤匠さん

 プリント基板を製造する伊原電子工業(愛知県春日井市)の佐藤匠さんは、顧客の要望に合わせた大きさや形に基板をカットする外形加工を担当する。

 地元春日井市の出身で、自宅からの通勤時間は原動機付きバイクで10分ほど。母校、春日井工業高校の実習でスピーカーを作り、基板を使ったモノづくりに魅せられて同社を志した。また同社で働いていた「祖父母の後押しもあって第1希望だった」とはにかむ。

 外形加工には尊敬してやまない3歳年上の先輩がいる。「担当工程の指揮に加え、忙しい時には他工程もまわせる知識・技術がある」と憧れる。そんな佐藤さんだが、上司は「極めて優秀。短納期にも対応してくれて心強い」と評価しており、伊藤嘉高社長は「2、3年後には部下を持つリーダーになってほしい」と期待する。

 目標は、一人で任される工程を増やすこと。「技術者を求めるメッキや検査工程などで活躍し、会社に貢献したい」と意気込む。
(文=名古屋・一色映里奈)
日刊工業新聞2017年1月6日
三苫能徳
三苫能徳 Mitoma Takanori 西部支社 記者
ご成人おめでとうございます。新成人のみなさまが、それぞれ望んだキャリアを築いていけるよう祈念いたします! 「成人」って、あらためて字面だけ見るとすごい言葉だなと思いますが、社会的動物であるヒトはさまざまな関わりの中で“人”になり“大人”になっていくのでしょうね。(ダブル成人が近い私はまだまだ未熟者ですが・・・。)

編集部のおすすめ