キリン「午後の紅茶」「生茶」、絶好調の裏に技術あり

カフェインクリア製法で女性の支持広げる

 キリンビバレッジの紅茶飲料「キリン午後の紅茶」と緑茶飲料「キリン生茶」の看板ブランドが絶好調だ。「午後の紅茶」の今年の年間販売数量は、5000万ケース(1ケースは500ミリリットルの24本換算など)を突破、紅茶飲料で5000万ケース超えは、業界初という。  同ブランドは、日本初のペットボトル入り紅茶として1986年に発売。紅茶飲料のトップブランドになった。2016年1―11月の販売数量は、前年同期比約9%増。30周年記念商品「エスプレッソ ティーラテ」を10月に発売したほか、基幹商品やホット専用商品が好調だった。  一方、「キリン生茶」の販売本数も初販売目標の約1・5倍にあたる2500万ケース(1ケースは525ミリリットルの24本換算など)を突破。3月に中身とデザインを刷新、これが消費者の支持を得て、年初の販売目標だった1700万ケースを、6月に2000万ケースに修正。10月には2500万ケースと、2回にわたって上方修正した。    秋以降に発売した「ホット生茶」も、自動販売機やコンビニエンスストアで売り上げが増え「小売り大手からの新規採用も相次いでいる」(キリンビバレッジ)という。  11月のホット生茶の売り上げは、前年同月比2・2倍。茶葉を低温抽出した後に微粉砕したかぶせ茶を加える新製法で、従来商品にない茶のコクと余韻を実現。キリンビバやキリンホールディングス(HD)の業績をけん引している。  実は、この2つの商品で注目すべき技術がある。キリン(東京都中野区、磯崎功典社長)の飲料技術研究所が開発した「カフェインクリア製法」だ。緑茶や紅茶に含まれるカフェインを除去しつつ、味や香りなどは維持する独自技術。  一般的なカフェイン除去方法とは、どこが違うのか。茶葉からカフェインを抜く従来方法は(1)熱湯で溶出させる(2)有機溶剤を使う(3)二酸化炭素(CO2)を超臨界状態にして溶出する―の三つ。いずれもカフェインと一緒にうまみの成分も溶け出してしまうため、味が落ちる。茶の機能成分であるカテキンの働きも失われる。  それに比べ、カフェインクリア製法は、食品に使われてきた天然吸着剤の酵素に似た働きを用いることで風味や香り、カテキンやポリフェノールなどの機能成分は変えずに、カフェインだけを選択除去することに成功した。  妊婦などの女性や高齢者は、カフェインを気にする人が多い。同研究所の塩野貴史主任研究員日本茶インストラクター・リーダーは「出産後も女性は子どもへの影響を気にして、カフェイン飲料を控えることが多い。茶飲料はカテキンやポリフェノールが多いため、飲みたいものの、カフェインがあることがネックになっている。男性や高齢者も就寝前、リラックスして飲みたいと思っても同じ理由で飲めない。新技術で飲料市場を広げられる」と話す。  キリンによると、カフェインを気にする人は2―3割いる。一方でカフェインレス緑茶や紅茶があることを知っている人はまだ1%足らず。PRによりさらに市場を拡大できると見ている。

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