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JALの新千歳空港カウンター移転。並ぶ場所わかりやすく

増加する訪日外国人への対応充実
JALの新千歳空港カウンター移転。並ぶ場所わかりやすく

午前6時30分にオープンする新千歳空港の新カウンター前で一礼するJALの地上係員

 国内線ターミナルのリニューアル工事が進む新千歳空港で12月13日朝、日本航空(JAL)のチェックインカウンターが移転オープンした。これまで2階出発ロビー中央にあったが南側へ移り、跡地には保安検査場が新設される。

 新千歳の現国内線ターミナルは、24年前の1992年7月1日開業。国内線旅客数が当時と比べて300万人増となる年間1700万人台に達したことから、運営する北海道空港会社が2018年3月の完成を目指し、改修工事を2015年3月16日に始めた。

 JALのカウンター移転もこの一環で、ラウンジのリニューアルやオフィスの移転も実施。旧ラウンジは2015年11月4日に閉鎖し、今年6月29日に「サクララウンジ」をリニューアルオープンするとともに、最上位の「ダイヤモンド・プレミアラウンジ」を新設した。

 旧カウンターはレイアウト変更などはあったものの、開業当初から使われてきた。最終日となった12日は、午後9時29分発羽田行きJL530便の乗客応対が最後の仕事となった。午後9時すぎ、搭乗手続きの受付を終えた地上係員たちはカウンター前に整列し、利用者に一礼。24年間使用してきたカウンターにも一礼し、最終日の旅客応対を終えた。

 その後は、新カウンターでの業務が始まる翌13日午前6時30分に向け、急ピッチで引っ越し作業が行われた。仮囲いが次々と外されていくと、真新しいカウンターや、文字を大きくした案内表示が姿を現した。旧カウンターからは、チェックイン業務で使う端末やプリンター、パソコンなど多くの機器が運ばれ、夜を徹して配線など開設準備に追われた。
                  

スキー板など長尺の荷物も運びやすく


 ターミナル南側に設けられた新カウンターは、JALの搭乗手続きがどこで行えるのかや、乗客が自分がすべき手続きのカウンターがどこなのか、進むべき保安検査場がどこにあるかを、わかりやすく案内することに主眼が置かれた。

 壁にはロゴを大きく掲げ、鉄道やバス、タクシー乗り場からのエスカレーターや、お土産店などからカウンターへ向かう際、JALのエリアであることが一目でわかるようにした。6月に先行オープンしたダイヤモンド・プレミアラウンジの入口との調和を意識し、格子デザインを取り入れた。

 カウンターの番号は、1番から9番まで設けた。これまでカウンターがあった中央部から見て手前から、1番が身体の不自由な人など係員の手伝いを必要とする人向けの「スマイルサポート」、2番が空席待ちの呼び出し、3番がチェックイン・手荷物・発券、4番が手荷物タグをセルフサービスで発行する「エクスプレス・タグ」、5番が自動チェックイン機、6番が団体受付、7番が国際線乗り継ぎ、8番が多目的、9番がマイレージサービスの上位会員制度「JALグローバルクラブ(JGC)」となっている。

 案内表示は、文字の大きさやピクトグラム(絵文字)を見直し、日本語と英語、中国語、韓国語で案内することで、増加する訪日外国人への対応を強化。また、これまでは手荷物の預かりや航空券の発券など、役割ごとにカウンターの機器が分かれていたが、どのカウンターでも業務出来るように見直した。

 カウンターの高さも、新千歳空港に勤務するJALの地上係員の平均身長に合わせ、従来より5センチ高くした。受託手荷物の重さを量る重量計や、手荷物を運ぶベルトコンベアの段差をなくすなど、作業性を改善している。また、スキー板など長尺の荷物を荷さばき場へ運びやすくするため、新たに直線のベルトコンベアを設けた。

 ターミナルを運営する北海道空港会社は、JALの旧カウンター跡地を保安検査場に改修し、2017年春の供用開始を目指す。ターミナル中央に保安検査場を設けることで、増加する利用客の動線を改善する狙いがある。

 新カウンターのオープンにより、JALの旅客用施設のリニューアルは完了。今後はターミナル北側にある全日本空輸(ANA)のエリアが改修される。
吉川忠行
吉川忠行 Yoshikawa Tadayuki Aviation Wire 編集長
JALが新千歳空港のチェックインカウンターを移転・リニューアル。

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