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ボスは外国人…あのトヨタ自動車も多様性の時代へ

初の副社長、女性役員はイノベーションを先導できるか!?
ボスは外国人…あのトヨタ自動車も多様性の時代へ

初の外国人副社長となる欧州本部長のディディエ・ルロワ専務役員

トヨタ自動車は2015年度の新役員体制を発表。欧州本部長のディディエ・ルロワ専務役員(57)が外国人で初めて副社長に昇格するほか、ジュリー・ハンプトヨタモーターノースアメリカグループバイスプレジデント(55)が常務役員に就任し、初の女性役員となる。グループ会社との連携強化から、デンソーアイシン精機から生え抜き役員をトヨタ役員に初登用する。ダイバーシティー(多様性)とグループ連携を意識した刷新で持続的成長に向けた体制を築く。

 副社長ではほかに寺師茂樹取締役専務役員(60)が昇格し、元専務役員の伊地知隆彦東和不動産(名古屋市中村区)社長(62)が復帰する。一方で3人の副社長が退任し6人体制は維持する。ビジネスユニットや地域、機能の業務執行を担う専務役員の新任は5人で現状比3人増の18人。初の女性役員になるハンプ氏は米ゼネラルモーターズ(GM)やペプシコの副社長を歴任。グループ会社からはアイシン精機で生産やパワートレーン商品部門などを担当する水島寿之副社長(56)が専務役員に、デンソーで機能品やエンジン機器を担当する奥地弘章常務役員(52)が常務役員に就任する。

 経団連はダイバーシティー経営や女性役員・管理職の登用を推進。トヨタも新しいアイデアやイノベーション(技術革新)の創出に向けて外国人や女性役員の昇格を決めた。さらにデンソー、アイシン精機との間で部品事業の集約を決めるなどグループ内で事業再編を進めており、グループから役員を迎え入れて連携強化につなげる。
日刊工業新聞2015年03月05日 1面
神崎明子
神崎明子 Kanzaki Akiko 東京支社 編集委員
ダイバーシティなどと大上段に構えることなく、異なる文化や背景を持つ人とともに働くことが当たり前の時代になるのはいつのことか。

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