金型製作が3Dプリンターの本命?換気扇向けなどで活用

パナソニックエコシステムズ、射出成形用の量産金型の内製実現

新しい金型で一体成形した換気扇用フィルター部品

 パナソニックエコシステムズ(PESES、愛知県春日井市、前田潔社長、0568・81・1511)はパナソニック子会社で換気扇、空気清浄機の開発・製造などを手がける。3Dプリンターの装置、工法、材料の開発は約20年前から取り組んできた。社内の樹脂部品の試作はほぼ全て3Dプリンターで内製し、社外への試作品販売も事業化済み。金属光造形と切削加工を複合した工法で射出成形用の量産金型の内製も実現している。  PESESは1997年、「コンカレント開発」と呼ぶ、デジタルデータ・機器を活用した生産プロセス改善の取り組みを始めた。これが3Dプリンター活用のきっかけとなった。00年から光造形装置による社内向け試作品の供給を始めて、現在は金属用と樹脂用の3Dプリンター計7台を用途や材料に応じて使い分けている。特に、08年に始めた樹脂成形用の量産金型製造は革新的だった。金型は従来、ワイヤカットや放電加工など複数工程で鋼材を削ってつくるため「段取り替えや材料の無駄が多く、複雑形状の加工に課題があった」(小谷健太郎生産技術部主幹)。  これに対してPESESは金属粉末材料をレーザーで焼結、積層し、その都度、輪郭を切削する複合工法を採用。専用機を装置メーカーと共同開発した。  複合工法は金型冷却用水管を内部に自在に張り巡らし、成形品質を向上、加工時間も短縮できる。金型製造も専用機1工程に短縮。「最低でも50万回以上は成形できる」(同)と耐久性も確保した。  15年には同工法で、換気扇用フィルターの幅1・2ミリメートル穴を成形する部分に幅0・2ミリメートルのガス抜き溝を持たせた新構造の金型を実用化。金型の細い穴にガスがたまって樹脂の未充填が起きるのを防ぎ、薄いフィルター部と肉厚な枠部の一体成形を可能にした。池川直人生産技術部部長は「部品コストは約30%低減できた。今後こういう機構をどんどん増やす」と新しい金型の展開に意気込む。 (文=大阪・錦織承平)

続きを読む

特集