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パクチーブーム到来か。エスビー食品が契約農家通じ2倍に増産

2020年の東京五輪までは需要増続く
パクチーブーム到来か。エスビー食品が契約農家通じ2倍に増産

今年、爆発的な人気を見せたパクチー

 エスビー食品は契約農家を通じ、香草のパクチーの生産を大幅に増やす。パクチー(英名=コリアンダー)を多く使うタイ料理店の増加で認知度が高まったほか、豊富な栄養素を含む点などが人気を集め、需要が急増しているため。同社では2020年の東京五輪・パラリンピック開催まで、海外旅行経験者やレストラン向けの需要増加が続くと見込む。16年度の生産量は前年度比約2割増の同100トンだが、早ければ17年度に2倍の200トン、20年度に300―400トンの供給体制を目指す。

 エスビー食品はハーブの一種として92年からパクチーを販売しており、国内栽培数量でシェア3割強を占める最大手。北海道から沖縄県まで十数道府県の農家と契約し、農家に種子を供給して栽培方法を指導している。

 買い取ったパクチーは最寄り工場でパック詰めし、小売店やレストランに販売する。パクチーソースなど業務向け商品も強化している。契約栽培により、年間を通した安定供給の確保や、病害虫対策や栽培技術、連作障害回避などのノウハウ蓄積があるのが強み。

 同社によるとこれまで売り上げはじわじわ伸びていたが、ブームを背景にパクチーサラダのように大量にパクチーを使う料理が登場し、ここ1、2年で急増。農家からも、パクチーを栽培したいとの問い合わせが増えたため、増産することにした。

 パクチーはタイ、中国、インド、ベトナム料理などに使われる。香りが強く味わいも独特なので、人により好き嫌いがある。ぐるなび総研(東京都千代田区)の『2016年「今年の一皿」』でパクチー料理が選ばれるなど今年になって大流行している。
日刊工業新聞2016年12月15日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
ほとんど嫌いなものがないが、パクチーはほんと苦手。それでも最近、パクチーサラダという言葉をよく耳にすると思っていたら、こんなブームになっていたとは。いくらブームになろが克服はムリ。

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