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ばんそうこうのように貼り付けるウエアラブルデバイス

大阪府立大が印刷技術でフィルム上にセンサーを形成
 大阪府立大学大学院工学研究科の竹井邦晴助教らは、ばんそうこうのようにやわらかい、貼り付け型ウエアラブルデバイスを試作した。印刷技術によりフィルム上にセンサーを形成、活動量や心拍、皮膚温度、紫外線量を計測できる。健康状態のリアルタイムをはじめ、さまざまなIoT(モノのインターネット)用デバイスへの応用展開が見込まれる。

日刊工業新聞2016年12月5日



曲げやねじりに強い薄型リチウム電池


 パナソニックは29日、繰り返し曲げたりねじったりしても充放電性能が劣化しない「フレキシブルリチウムイオン電池=写真」を業界で初めて開発したと発表した。厚さ0・55ミリメートルの薄型。さらに薄型化を進めて量産技術を確立し、2018年の実用化を目指す。

 決済やセキュリティーなど高性能化が進むカード類やウエアラブル端末といったIoT(モノのインターネット)デバイスへの採用を見込む。10月下旬からサンプルの提供を始める。

 ラミネート型二次電池で、容量に応じて3種用意した。容量が17・5ミリアンぺア時の製品の寸法は縦39・0ミリ×横28・5ミリメートル。同40ミリアンぺア時の製品は縦55ミリ×横35ミリメートル。同60ミリアンぺア時の製品は縦65ミリ×横40ミリメートル。半径25ミリメートルの曲げ試験と、プラスマイナス25度のねじり試験で99%の性能を維持できることを確認した。

 フレキシブルリチウムイオン電池やピン型の小型電池の非接触充電が可能な小型モジュールも開発済みで、17―18年の実用化を目指す。
曲げやねじりに強い薄型リチウム電池

日刊工業新聞2016年9月30日



柔らかい曲面に装着する圧力センサー


 東京大学大学院工学系研究科の染谷隆夫教授、リー・ソンウォン博士研究員らは、ゴム手袋など柔らかい曲面に装着して圧力を計測できるフレキシブルなセンサーを開発した。デジタル触診などが可能になり、ヘルスケアや医療、福祉などの分野に応用できる。科学技術振興機構(JST)のプロジェクトの一環で開発した。英科学誌ネイチャー・ナノテクノロジー電子版に掲載された。

 研究チームが開発したのは、微細なナノファイバー(ナノは10億分の1)を使った圧力センサー。半径80マイクロメートル(マイクロは100万分の1)まで折り曲げても、世界最高感度のフレキシブルセンサーとしての性質が変化しない。膨らませた風船のように柔らかい曲面上でも圧力の分布を高精度に計測できる。

 例えば、圧力を正確に検出できるゴム手袋を使うことにより、従来は感覚に頼っていた乳がんのしこりの触診などをセンサーで定量化(デジタル触診)できるとみている。

 体に装着するウエアラブル機器の違和感を最小限にするため、生体に密着する柔らかい圧力センサーが注目されている。しかし、柔らかい素材でできた従来の圧力センサーは、曲げたりよじれたりすると変形に伴うひずみが生じ、センサーの性質が大きく変化してしまう課題があった。
指にピッタリとフィットした圧力センサーアレイ(東大提供)

日刊工業新聞2016年1月26日

日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
体にに貼り付けるだけで血圧や心拍数、走行距離やスピードが測れる機器などに応用できそうです。スマホの次は身につけるデバイスが主流になるのでしょうか。

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