イーロン・マスクに引き寄せられる?太陽電池パネルメーカー

国内販売減で戦略転換急ぐ。パナソニックはテスラとの協業に踏み込む

イーロン・マスク氏

 京セラは太陽電池パネルの2016年度生産計画を、当初よりも10万キロワット少ない120万キロワットに下方修正した。パナソニックも国内住宅用市場の縮小を受けて、販売減少が続く。好転しない市場環境に対応するため京セラはタイ市場、パナソニックは米国テスラモーターズとの協業に活路を見いだす。また、Looop(ループ、東京都文京区、中村創一郎社長)が発電した電力を30年間買い取るサービスを始めるなど、新規事業も動き出した。  京セラは米国の住宅市場向けで、太陽電池パネルの販売が伸び悩んでいる。120万キロワットは前年度並みで、国内首位の座は維持する見通し。一方、タイの発電事業者との連携を強化し、現地での売上高を前年度比3倍に伸長させる。  パナソニックの津賀一宏社長は「これまで太陽光に十分に投資してきた。これから大きな投資は考えにくい」と市場の厳しさを語っていた。そのパナソニックはテスラが買収する米太陽電池ベンチャー企業、ソーラーシティの工場で太陽電池を生産する検討を始めていた。  ソーラーシティは、米住宅用市場で最大手。テスラは11月21日までにソーラーシティの買収を完了しており、協業への条件の一つが整った。  パナソニックにとってはテスラの販売力、商品企画力、そしてイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の発信力は魅力的。テスラは家庭用蓄電池の価格を抑え、市場を開拓してきた。パナソニックはテスラとソーラーシティの販路を活用し、米国で太陽電池パネルの販売拡大が見込める。  Looopは国の制度で決められた20年間は固定価格で買い取り、21年目以降は1キロワット時当たり7円で購入するサービスを始めた。同社製パネルを搭載し、同社と運用・保守契約を結ぶことが条件なので、顧客の囲い込みが期待できる。  エクソル(京都市中京区、鈴木伸一社長)は、既設の太陽光発電所にパネルを増設できる二つ目の独自工法を開発した。9月に受注を始めた第1弾は、パネルを移動させて追加設置ができるスペースを作る工法だった。第2弾は、既存のパネルの列にパネルを継ぎ足す。  太陽光発電協会によると、10月の出荷量は前年同期比27・5%減の43万キロワット。15年は一度も単月で50万キロワットを切らなかったが、16年は5回目。  価格下落に歯止めがかかっておらず、各社は海外展開や新事業などを模索し、戦略転換を急ぐ。 (文=松木喬)  太陽光発電協会(長栄周作代表理事=パナソニック会長)が24日発表した2016年7―9月期の太陽電池パネルの国内出荷量は、前年同期比6%減の166万キロワットだった。減少は7四半期連続だが、マイナス幅が縮小した。発電事業向けが同10%増の95万キロワットと盛り返した。未稼働の発電所の認定が取り消される制度変更があり、着工した発電所が多かったようだ。  国内出荷量は前四半期(4―6月期)比で40%増と回復。160万キロワット台は14年4―6月期以来。住宅用は前年同期比16%減の30万キロワット。日本企業シェアは57%で、前四半期から1ポイント低下した。海外企業は総出荷量の約7割が発電事業向けで、日本企業の約4割よりも比率が高い。

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