太陽光パネルでパナソニック快走の理由!利益率の高い住宅用に特化が奏功

15年中に全量自社生産パネルへ切り替え。旧松下電工の工務店ネットワークも強みに

パナソニックの太陽光パネル販売推移

 パナソニックは2015年中に太陽光パネルの外部調達をやめ、販売する全量を自社生産パネルに切り替える。調達したパネルはコストが重視される大規模発電所向けに販売し、自社製パネルは高い発電効率が求められる住宅やビルなどの屋根置き発電向けに売ってきた。今後の大規模発電市場縮小を見すえ、安定した需要が見込める屋根置き型に集中する。調達を中止しても自社製パネルの販売を増やし、15年度は前年度実績の84万キロワットを超える販売を目指す。  調達する欧州メーカー製パネルの受注は9月末で終える。その後はすべて自社生産品に切り替える。14年度の全販売量84万キロワットのうち欧州メーカー製パネルは15万キロワット分だった。自社の国内とマレーシアの工場を合わせた生産能力が年90万キロワットあり、増産で欧州メーカー製の販売分を補う。  同社の太陽光パネルは単結晶シリコンに薄膜シリコンを組み合わせた独自構造の「HIT」。太陽光を電気に変える発電効率が高い。同じパネルサイズでも発電量が多く、設置面積が限られる屋根に向く。一方、欧州メーカー製は材料コストが安い多結晶シリコン製で、パネル設置枚数が多い大規模発電事業所に供給してきた。  すでに発電効率を前面に出した営業が奏功し、国内住宅用市場で30%近いシェアを獲得して首位に立った。価格競争も避けられ、利益も出ているという。さらに攻勢をかけるため15年度末までにHITの生産能力を年15万キロワット増強する。  太陽光パネル市場は、12年開始の固定価格買い取り制度が呼び水となり、需要は11年度比6倍に膨らんだ。だが、買い取り価格の下落により、需要をけん引してきた大規模発電所の市場は、今後縮小に向かう見込み。同社は採算のとれる案件に大規模発電向けを限定し、今後は屋根を活用した出力500キロワット以下の中・小規模発電向けに集中する。  【解説】パナソニック快走の理由  パナソニックの太陽電池事業は販売量では最大手シャープ、生産規模では京セラから水をあけられていました。しかし他社が採算で苦しむ中でもパナソニックだけが利益をアップさせています。競合が規模を縮小していても増産投資も決めました。  好調の理由は、メガソーラーに比べて市場規模は小さいですが利益率のいい住宅用に特化してきたからです。確かにメガソーラーはボリュームゾーンですが、海外メーカーを含めて価格競争が激しいです。メガソーラー向けの販売比率が高いシャープ、京セラの苦戦の理由がそこにあります。    業界最高クラスの発電性能を持つ太陽光パネルの性能による差別化以外に、旧松下電工が築いた工務店・住宅建材店など15万店との販売ネットワークも強みです(太陽電池は三洋電機、営業は松下電工の資産が活用されている)。住宅1軒1軒にアプローチできる強力な営業基盤です。  海外メーカーが日本の住宅市場で苦戦するのは、住宅は小粒で件数ばかり多く手間がかかるためです。今後、パナソニックはビルや店舗の狭い屋上に置く小規模発電所にも攻勢をかけます。太陽光バブルの終焉が近づく中、先手を打って手堅い需要が見込める市場をおさえにいきます。

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