量販車の登場から7年、中古EVのリチウム電池で住宅向けの転用探る

オリエンタルコンサルが劣化状態を診断。段階的利用モデルを構築へ

EV量産車の市販から約7年が経過し、車載LIBのリユース活用が不可欠に

 オリエンタルコンサルタンツ(東京都渋谷区、野崎秀則社長)は、車載リチウムイオン電池(LIB)の劣化状態を診断し、残存性能に応じてリユース(再使用)するモデル事業に着手した。適切な性能評価に基づく中古電気自動車(EV)としての流通のほか、定置型蓄電池への転用などで有効活用する。車載用LIBは大容量で、劣化してEVに使えなくなっても低負荷サイクルには十分な性能が残る。LIBの能力を最大限引き出すため、段階的(カスケード)利用モデルを構築する。  オリエンタルコンサルタンツが東芝とともに環境省の「2016年度低炭素型3R技術・システム実証事業」の採択を受け、EVがレンタカーとして使われてきた長崎県五島市および沖縄県宮古島市でモデル事業を始めた。東芝のインフラシステムソリューション社はLIBの残存性能を短時間で推定できる電池診断技術「充電曲線解析法」を開発済み。  同技術で更新時期を迎えたEVのLIBを診断し、残存性能により(1)中古車としての継続利用(2)車載状態のまま太陽光発電住宅における蓄電池転用(ビークル・ツー・ホーム=V2H)(3)車体から取り出す定置型簡易蓄電池の製作―の3パターンを実証する。中古車は行政機関などによる限られた範囲の利用、V2Hでは自然公園内など公道以外での走行も想定。  それぞれ年末まで数台ずつ実証運用を続け、2―3カ月間の性能データと所要コストから合理的なLIBのカスケードリユースモデルを見い出す。EVは量産車の市販から約7年が経過し、今後、中古流通や廃車の増加が見込まれる。また、19年には住宅用太陽光発電の固定価格買い取り制度(FIT)の契約満了(10年間)が出始め、売電できない余剰電力の活用策が求められている。

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